【まとめ】中華スマホの5Gバンド問題を解説!【初心者向け中華スマホ入門講座】

アン秘書
アン秘書

所長!日本でも5Gサービスが始まりましたが、中華スマホの対応はどうなのでしょうか?

マーロウ
マーロウ

中国でも5Gスマホが主流になりつつあるな。ただし4Gと同じくバンド問題が発生しているぞ。

本記事をざっくりいうと・・・👇

輸入中華スマホにおける5Gバンド
  • 4Gで有利だったソフトバンク回線とは異なり、5Gではドコモ/auの回線が有利に
  • 4G→5G移行期間中は両方に有利なドコモB19対応機種か、ソフトバンクn77対応機種を選ぶべし
  • 日本で話題のミリ波は中国で使われていないので今後も対応は期待薄

中華スマホのバンド問題おさらい

ガジェット探偵事務所へようこそ!所長のマーロウ(@marlowesgadget)です。

やってきましたね。5G時代。

2020年は大手キャリアも5Gサービスを始め、各種スマホが展開されはじめました。

しかーし。高いですね。5G対応スマホ。

そこでお約束の中華スマホで探してみましょうとなるわけですが、その前に、バンド対応をきちんとチェックしておきたいところです。

このネタは筆者もシロートなので、情報をかき集めて、わかりやすくまとめてみました。

中華スマホの4G問題とは?

まず問題が発生するのは、輸入する中華スマホなので、国内で正規販売されているスマホ(OPPOの製品など)は関係ありません。

ポイントは中国と日本の4Gバンド(周波数)が異なっていることです。

中国では主にB1 B3 B5 B8が使用されるのに対して、日本ではB1 B3は共通しているのですが、プラチナバンドが異なり、ドコモがB19、auがB18、ソフトバンクがB8を使用しています。

詳しくは下記記事をご覧ください。

B1
B3
B8
プラチナ
× ×
B18(26)
プラチナ
× ×
B19
プラチナ
× ×
B41 × ×
B42
国内各社の4Gバンド
アン秘書
アン秘書

つまり中国のバンドにマッチしているのはB8を使用しているソフトバンク回線となるわけですね。

マーロウ
マーロウ

そうだな。ところが、後ほど説明するように、5Gになるとこの関係がまったく逆転してしまうのだ!

5Gバンドの基礎知識

初心者向けに基礎知識を解説します。知ってるよという方は飛ばして下さいね。

「Sub 6」と「ミリ波」がある

アン秘書
アン秘書

いきなり難しそうな専門用語ですね・・・

マーロウ
マーロウ

まぁ心配するな。詳しく解説していくぞ。

まず電波の基本知識について解説します。電波は次のような特性があります。

  • 周波数が高いほど、曲がりにくく、遠くまで届きません(直進性が高く減衰しやすい)。
  • 周波数が高いほど、より多くの情報を飛ばすことができます。またアンテナを小さくできます。

3Gや4Gの時代は速度に加えて、「電波のつながりやすさ」が重視され、低い周波数で通信する「プラチナバンド」が注目されました。

とくにビル街や山間部(田舎)で、プラチナバンドは強さを発揮しました。

しかし今回の5Gは、高速大容量通信がセールスポイントなので、まずは高い周波数から使おうとなっています。

現在、日本で主に使用している電波は2GHz帯ですが、5Gでは

  1. 3〜4GHz帯 → Sub6
  2. 28GHz帯  → ミリ波

を使うことになりました。①がSub 6②がミリ波と通称されています。

Sub 6は6GHz帯未満の電波(FR1)を呼ぶ用語で、「サブロク」「サブシックス」などと呼びます。

ミリ波は電波の波長が「1~10ミリメートル」となることからきています。しかし実際に使うn257はこの範囲内に収まらないので少しおかしいのですが、この帯域をまとめたFR2という帯域をミリ波と呼ぶことになったため、n257もミリ波と呼ぶことになったそうです。

まずは「Sub 6」から展開

ミリ波は28GHzという、かなり高い周波数で電波を送るため、高速大容量で通信できます。

そのため「5Gの真髄はミリ波にあり」とも言われ、スマホオタクが「ミリ波対応」にこだわるのはその高速さにあります。

しかし周波数が高すぎるために「スポット的(一部の限られた場所)にしか送れない」という特性があります。

そのため、オフィス街や駅などでの活用が期待されていますが、設備投資が必要なので、実用化には時間がかかりそうです。

(個々の端末を狙って電波をビーム的に送信するミリ波ビームフォーミングという技術が開発されています)

したがってキャリアは、当面のあいだSub6を中心に5Gエリアを構築していくものと考えられています。

マーロウ
マーロウ

ただSub6は4Gに比べれば速いのだが、ものすごく速いというわけではない。ビームフォーミング技術!に期待だな。

スタンドアローンとノンスタンドアローン

ぐぬぬ・・・また難しい言葉ですね。ガジェヲタなら「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」を想像してしまいますが、まったく関係ありません…(-_-;)

  • スタンドアーロン:STAND ALONE(SA)
  • ノンスタンドアローン:NON STAND ALONE(NSA)

簡単に言うと、単独で5G通信を行うか(SA)4Gと補完的に通信を行うか(NSA)の違いです。

いきなり5Gの基地局を全国へ整備することは不可能なため、4Gネットワークに補完させながら、5Gを広めていく計画になっています。これをノンスタンドアローン(NSA)と読んでいます。

こんなことシロートには必要ない情報なのですが、スマホのスペック欄にSAだとかNSAという表記が出てくるのですね。

なぜかというと4Gと5Gの双方を利用するため、5Gのバンドが合っていても、NSAの対応から通信がうまく行かないということもあるようです。

(補足)2020年12月現在で、ドコモはSAを推進していますが、auとSoftbankは莫大な費用がかかることから及び腰でNSAを中心にすすめる模様です。NSAで進めたほうが、早めに全国をカバーすることができますが、5Gの真髄を味わうことはできないでしょう。

マーロウ
マーロウ

このあたり、中華スマホとの接続性で少し怪しい部分ですので、適宜フォローしていきたいと思います

日本の5Gバンドについて

各周波数帯域については周波数だと覚えにくいので、4Gの場合はB1のように番号がついていました。5Gでも同様に、数字の前に「n」をつけて呼ぶようになりました。

ところがこの周波数割り当ては、これまでの歴史的経緯から各国でバラバラですし、ぐちゃぐちゃに入りまみれています。

まずは日本のキャリアの割当を見ていきましょう。次の表の通り、割り当てられています。

種別 バンド名 キャリア
Sub 6 n77 Docomo|au|楽天|Softbank
n78 Docomo|au
n79 Docomo
ミリ波 n257 Docomo|au|楽天|Softbank
※KDDI→auにしてます。

表だけだと、Sub6におけるn77n78の周波数帯が重複してわかりにくいんですね。下の図もご覧ください。

この図からわかるように、Sub 6ではドコモとauが2枠、楽天、ソフトバンクが1枠となっています。

なかでも大事なのが、国際的に共通バンドとなっているn78です。ここは、ドコモとKDDI(au)の2社で独占してしまっています。

バンド割当は投資額や実績に基づき、総務省が決定しました。この過程でKDDIはn78の獲得に強くこだわり、ドコモに匹敵する規模の投資を打ち出し、意欲的な姿勢を示して無事、免許獲得となりました。

その背景には、KDDIが長年、通信方式や周波数帯の違いで辛酸をなめてきたことがあります。3GではCDMA方式、4GでもBand1と18などマイナーな仕様になり、端末の採用にさまざまな困難があったものと思われます。

一方で、ソフトバンクは楽天にも及ばない第4位の評価。地方への投資を渋ったと言われています。これが後々、吉と出るか凶とでるか見ものですね。

上の図の通り、n77=3.3~4.2GHz、n78=3.3~3.8GHz
となっているため、n77対応となっていればn78を含むことになります。

ただ逆は真ならず。n78対応でもn77のすべての周波数を含みません。
つまりn77の3.8~3.9GHzの楽天、3.9~4.0GHzのソフトバンクはn78だけの対応機種では通信できないと思われます。

世界の5Gバンドとn77問題

アン秘書
アン秘書

日本の5Gバンドはわかりましたが、中国はどうなのでしょうか?

マーロウ
マーロウ

中国に限らず世界のほとんどの国はn78を採用しているぞ。

下記リンク先の表を見てもらうとわかるように、世界のほとんどの国はn78を採用しています。変わったことをしているのは米国と中国、日本くらいですね。

参考 List of 5G NR networksWikipedia

キャリア 周波数 バンド
China Mobile 2.515~2.675GHz
4.8~4.9GHz
n41
n79
China Telecom 3.4~3.5GHz n78
China Unicom 3.5~3.6GHz n78
中国のバンド割当

中国3大キャリアのバンドは上の表の通り。China Mobileのみn41n79を採用していますので、中国で主に使われているバンドはn41 n78 n79となります。なおテレビとラジオで使う帯域としてn28があります。

したがって次のことが言えます。

  1. 楽天とソフトバンクが使用するn77は中国(および世界のほとんど国)では使用されない
  2. ミリ波は今のところ、使用されていない

つまり4GにおけるB19のように、またしても日本ではガラパゴスn77を採用してしまい、楽天とソフトバンクがその影響を受けることになります

マーロウ
マーロウ

まぁ、楽天やソフトバンクで公式に発売されるスマホはn77対応にカスタマイズされて発売されるので、一般のユーザーにその被害は及ばないが、ワシのように輸入する変人には被害がでるということだな・・・。

それでは、いっそのこと「n78採用のドコモとauに乗り換えればよい」ではないかと思われるかもしれませんが、そう都合よくいきません・・・。

5Gが普及するまでの間は4Gも継続して使用する必要があります。すると4Gではソフトバンク回線、5Gではドコモかau回線がベストマッチとなり、相容れません。

そうなってくると

  • ドコモ4GのB19に対応した機種
  • ソフトバンク5Gのn77に対応した機種

のいずれかが当面は相性が良い機種と言えます。

(補足)驚きの展開があるかも…。現在は周波数が上記のように決められていますが、楽天を中心に割当が不公平という意見があります。また停止した3Gや4Gの周波数を5Gに割当し直すという意見もあります。そうなってくると、事情が変わってくる可能性があります。

中華スマホの5G電波実例

それでは実際に中華スマホの5Gバンド対応例を見てみましょう。

HUAWEI Mate 30 Pro 5G

5G n1 n3 n28 n38 n41 n77 n78 n79

4G B1 B2 B3 B4 B5 B6 B7 B8 B9 B12 B17 B18 B19 B20 B26 B28 B32 B34 B38 B39 B40 B41

日本でも発売されているプレミアムモデルです。ちなみにP40 Proも同じバンド対応です。

もうフル対応ですね。n77にも対応していますし、将来的に中国で4Gから5Gに転用される可能性があるn1n3についても対応しています。

ただし特殊なミリ波には対応していません。


OPPO FindX2 Pro

5G n1 n3 n5 n7 n28A n38 n40 n41 n77 n78 n79

4G B1 B2 B3 B4 B5 B7 B8 B12 B13 B17 B18 B19 B20 B25 B26 B28 B29 B32 B66

OPPOの最上位モデル。Mate30をしのぐフル対応。auからの発売が決まっています。


VIVO iQOO 3 5G

5G n1 n3 n41 n77 n78 n79

4G B1 B2 B3 B4 B5 B7 B8 B12 B17 B18 B19 B20 B25 B26 B34 B38 B39 B40 B41

VIVO iQOOシリーズの最新モデル。グローバル対応になっていて、B19n77の両対応で日本に何故か優しくなっています。→VIVOのn77対応は限定された周波数のみでSoftbankと楽天の周波数に対応していないことがわかりました。残念…。


OnePlus 8 Pro

5G n1 n3 n41 n78 n79

4G B1 B2 B3 B4 B5 B7 B8 B12 B17 B18 B19 B20 B26 B34 B38 B39 B40 B41

グローバル対応といえばOnePlusだったのですが、5Gではさすがにマイナーなn77には対応していないようです。ただB19には対応していますので、ドコモ回線で使用できます。


Xiaomi Mi 10 Pro 5G

5G n1 n3 n41 n78 n79

4G B1 B2 B3 B4 B5 B7 B8 B12 B17 B34 B38 B39 B40 B41

Xiaomiは何故か日本のバンドに冷たいです。せっかく日本進出したのにフラッグシップ機種でもまったく対応してくれません。ただ日本国内で発売された機種は対応しています(Mi 10 Liteなど)。→Mi 11でとうとう日本のプラチナバンドと5Gに対応してきました。


OPPO ACE2

5G n1 n3 n41 n78 n79

4G B1 B2 B3 B4 B5 B7 B8 B12 B17 B20 B34 B38 B39 B40 B41

OPPOの最新ハイクラス。プレミアムクラスでないとOPPOでもグローバル対応はしてくれません。


Redmi K30 5G

5G n41 n78

4G B1 B3 B5 B7 B8 B34 B38 B39 B40 B41

ミドルハイクラスになってくるとバンド対応もだいぶ狭まってきて、最小限になってきますね。

Nubia Redmagic 5G

5G n41 n78

4G B1 B2 B3 B4 B5 B7 B8 B17 B18 B19 B20 B26 B34 B38 B39 B40 B41

ゲーミングスマホ。B19に対応してくれていますが、5Gバンドは最低限ですね。

中華スマホの5Gバンドと4Gプラチナバンド対応|2020年4月まとめ

メーカー 機種 n1 n3 n41 n77 n78 n79 B8 B18 B19
Huawei Mate 30 Pro 5G (1)
P40 Pro (2)
Nova 6 5G
Honor 30 Pro
Honor 30S
Honor V30
Xiaomi Mi 10 Pro 5G
Redmi K30 5G
BlackShark 3
OPPO FindX2 Pro (3)
FindX2
OnePlus 8 Pro
ACE2
Reno 3
Reno 3 (SB) (4)
VIVO iQOO 3 5G
NEX 3S
Z6 5G
S6 5G
X30
Nubia Redmagic 5G

(1)他にn28/n38に対応 (2)他にn7/n28/n38も対応 (3)他にn2/n5/n28/n38も対応 (4)日本国内ソフトバンクモデル
※ミリ波に対応機種なし

アン秘書
アン秘書

メーカーやクラスによって扱いがだいぶ違いますね。現状だとプレミアムクラスが多いので、B19n77対応機種けっこうありますね。

マーロウ
マーロウ

そうだな。ただ今後、ミドルクラスも5G対応になってくると、B19n77対応機種は限られてくるかもしれないぞ。

中華スマホの5Gバンド入門のまとめ

以上、中華スマホにおける5Gバンドの基礎知識についてまとめてみました。ざっくりポイントをまとめると次のとおりです。

輸入中華スマホにおける5Gバンド
  • 4Gで有利だったソフトバンク回線とは異なり、5Gではドコモ/auの回線が有利に
  • 4G→5G移行期間中は両方に有利なドコモB19対応機種か、ソフトバンクn77対応機種を選ぶべし
  • 日本で話題のミリ波は中国で使われていないので今後も対応は期待薄

長文解説になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。5Gで選ぶべきバンドのこと、おわかりいただけたでしょうか。

もし興味が湧いたなら次のまとめ記事をご覧いただければと思います。ではでは~。

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