Skip to content
戻る
アイキャッチ画像: 【Tips】Hackintosh で Intel Wi-Fi カードを使う方法(HeliPort & AirPortItlwm)

【Tips】Hackintosh で Intel Wi-Fi カードを使う方法(HeliPort & AirPortItlwm)

Hackintosh で Intel Wi-Fi カードを使う方法(HeliPort & AirPortItlwm)を紹介します。

Hackintosh の Wi-Fi 事情

これまで macOS は Broadcom 製のWi-Fi カード のみ公式にサポートしていました。そのため、Hackintosh では **Broadcomチップ搭載カード(例: BCM94360CD, BCM943602CS など)を使うことができました。次のFenvi社などが販売しているカードです。

しかし、macOS Sonoma(14.x)以降では Broadcom 製カード のサポートすら打ち切られ、公式には Apple 純正の Wi-Fi モジュール(Apple Silicon 搭載機の内蔵カードなど)しか動作しなくなりました。現在取りうる対策は次の2通りです。

  1. Intel 製 Wi-Fi カードを非公式なドライバで動作させる(本記事で解説)
  2. Broadcom 製 Wi-Fi カードを OpenCore Legacy Patcher(OCLP)で動作させる(別記事で紹介予定)

本記事では、Intel Wi-Fi を動作させる方法として「HeliPort」+「itlwm.kext」または「AirPortItlwm.kext」 を使用する方法を解説します。なおこの方法はBroadcomカード打ち切りの前からあります。

ちなみに本記事で紹介する内容はすべて開発者が作成したサイトに掲載されていますので、英語が得意な方はそちらをどうぞ⬇︎

以下、すでにHackintosh環境が整っているとして話を進めます。

1. Wi-Fiカードが対応しているか確認

下記のページからお持ちのIntel Wi-Fiカードがサポート対象かどうか確認。

最新のWi-Fi7対応のBE200は残念ながら、対応機種に含まれていません・・・。

2. 必要な kext をダウンロード

次の2種類の方法があります。自身の環境にあわせていずれかを選択してください。

  1. itlwm.kext+HeliPort を使って Wi-Fi を管理
  2. AirPortItlwm.kext(macOSネイティブのWi-Fi メニューを使える)

いずれもGithubから kextをダウンロードできます。

itlwmのコードの大部分はOpenBSDから、一部がLinuxから移植されているそうです。

2. itlwm.kext + HeliPort を使う方法

この方法では HeliPort.app を使って Wi-Fi を管理します。有線イーサーネットを擬装する方式のようで、システム上はWi-Fiは機能していないことになります。

手順

  1. itlwm.kextEFI/OC/Kexts/ フォルダにコピー
  2. OpenCore の config.plist を開き、Kernel → Additlwm.kext を追加
  3. config.plist を保存し、Hackintosh を再起動
  4. HeliPort.app/Applications フォルダにコピーし、起動->上部メニューにWi-Fiアイコンがもう一つ登場(Heliport)。元からあるネイティブのWi-Fiアイコンは機能しません。
  5. HeliPort から Wi-Fi をスキャンし、ネットワークに接続
    %E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%882025-03-2323.47.38

筆者の環境(Intel AX211)ではHandoffは使えます(iPhone -> Macのみ)。AirDropは使えません。Bluetoothは問題なし。

speedtest

スピードもかなり出てます。OCLPの方法でBroadcomのカード(Fenvi T919)を動かしてみたのですが、かなりスピードに差が出たので、こちらを使用しています。

3. AirPortItlwm.kextを使う方法

この方法では、macOS の ネイティブな Wi-Fi メニュー を利用できます。...ですが上記のHeliport方式と比較して安定性に欠けるとのことです。スリープ関係でトラブルがでるとの報告も。
問題がないようなら、こちらの方が気持ち悪さがないですね。

Attention

itlwmとAirportitlwmは同時に使用できません!どちらかのkextのみ有効にしましょう。

設定方法はitlwm.kextの全手順+以下のいずれかの手順です。macOS Catalina以前に用いられていたWi-Fiを有効にする機能拡張IO80211Family.kextをロードできます(順番が下がるほど推奨度は下がります):

※最後の2つは推奨されないとのことです(笑)

筆者の環境だと、何やってもAirportitlwm.kextあるいはIO80211Family.kextを読み込まず…使えていません。

Info

Appleによると「T2チップを搭載していないIntelプロセッサ搭載Macはセキュアブートをサポートしていません」だそうです。なのでOpenCoreで強引にApple Secure Bootを有効にするわけですね。

トラブルシューティング+FAQ

翻訳・抄録しました。

ハードウェアチェック

配線間違えてない?下記記事参照。


BIOS設定を確認

Fast Boot: Disabled
CNVi Support: Auto
だそうです。設定項目があるか確認してみてください。


カーネル拡張がロードされているか確認

次のコマンドをターミナルで実行

kextstat | grep -i "KEXT'S_NAME"

入力と出力例

kextstat | grep -i "itlwm"
    70    0 0xffffff7f84126000 0xf86000   0xf86000   com.zxystd.itlwm (1) 10EA7641-BDCB-3820-9AF7-4C773FD9953E <33 13 6 5 3 1>

システム環境設定のリセット

  1. システム環境設定→ネットワークを開き、すべてのポートを削除し、右下隅にある適用をクリックします。
  2. ターミナルで次のコマンドを実行:
open /Library/Preferences/SystemConfiguration
  1. 次のplistを削除します。

以前に SMBIOS を変更したことがある場合は、現在および以前のモデルを含む名前のファイルも削除する必要があるそうです。

  1. 再起動。

隠された Wi-Fiにつながりますか?

MVM Gen 2(iwx)カードは、隠しWi-Fiネットワークへの接続をサポートしていません。

itlwm.kext: はい
AirportItlwm.kext: いいえ


WPA2/3-Enterpriseはサポートされていますか?

itlwm.kext: いいえ
AirportItlwm.kext: はい


AppleのContinuity Framework(Airdrop、HandOff)をサポートしていますか?

AirportItlwm.kextのみサポート


パーソナル・ホットスポットは作成できますか?

-> いいえ。


802.11ACと802.11AXをサポートしていますか?

-> はい
802.11ACと802.11AX(現在は無効)のサポートはv2.0.0から実装されています。


Githubのissueを読み込む

・・・忍耐で熟読ですな。下記からどうぞ。


Broadcom 製 Wi-Fi カードを使い続ける方法

これまでのBroadcom 製 Wi-Fi カードを macOS Sonoma 以降でも使いたい場合、OpenCore Legacy Patcher(OCLP) を活用する方法があります。この方法については別記事で紹介予定ですので、そちらもチェックしてみてください。

あわせて読みたい⬇︎


記事をシェアする:
マーロウ
マーロウ 複雑に入り組んだガジェット沼を探求するハードボイルド探偵。最近はジャンク修理に夢中。長年のMacユーザー|Hackintosher|中華ガジェ愛好家→円安休み|Bimmer

前の記事
【Tips】macOSでテキストクリッピング機能を使って賢くテキスト編集する方法
次の記事
【Report】PowerMac i7 Mark II 爆誕!まだまだHackintoshやるぜ!
すべての記事