
今回はUMIDIGIのスマホを購入してみたのでレビューしていくぞ!

UMIDIGIってあまり名前を聞かないメーカーですね。大丈夫ですか?

そうだね。中堅レベルのメーカーだけど日本進出に積極的なんだ。リクエストが多いので詳しく解説していくぞ。
ガジェット探偵事務所へようこそ!所長のマーロウ(@marlowesgadget)です。
筆者は中華スマホではXiaomiの熱烈信者ですが、当ブログをご覧の方々にUMIDIGIのスマホ情報の需要があるので、実機を試しておくべく、エントリー機種を1台購入してみました。
発売になったばかりのA5 Proです。10,000円ちょっとの価格なのにトリプルレンズ搭載で性能もそこそこあるのが話題を呼んでいました。5月からプレセールをやっていたので早速注文したのですが、なかなか発送せず7月になってやっと中国から届きました。日本国内では7月下旬からAmazonで販売されるようです。
まず結論から言うと、かなりクセのある機種で、初心者には正直オススメできません。安いからといって購入してしまうと安物買いの銭失いになるかも。中級者以上のサブスマホならなんとか付き合っていけると思います。以下にその理由を詳しく説明していきます。
- とにかく安価にスマホを購入したい方
- DocomoB19プラチナバンド対応中華スマホを探している方
- 中級者以上で安価なサブスマホを探している方
- カメラ機能を重視しない方
もくじ
UMIDIGIについて
ユミディジ(ウミディジとも)。中国・深センを拠点とする通信機器メーカー 。格安スマホを投入することで話題の新興企業。2012年設立。2018年までは「UMi」ブランドを使っていました。AliExpress、Amazonなどでオンラインショップを展開しています。

UMIDIGIのスマホは現在次の4シリーズが展開されています。
- ミドルクラスのSシリーズ。最新はS3(Helio P70)
- ミドルクラスのFシリーズ。最新はF1 Plus(Helio P60)
- バッテリー重視のPowerシリーズ(Helio P22)。
- エントリークラスのAシリーズ。最新が本機種(Helio 23)
このようにAシリーズはもっとも安価なエントリークラスです。これまでA1,A3、A5のように奇数でアップグレードされてきました。
先代のA3はあまりにもスペックが低すぎましたが、A5はHelio P23チップ採用なので、それなりのスペックに仕上がっており、値段もほとんど変っておらず、スペックだけみるならばA3よりもA5の方がオススメです。
ただ出た直後はソフトウェアが安定していないため、それなりに安定した?A3が良いという意見がありますが、そもそもトラブルが嫌いな方はUMIDIGIを使うのに向いていない可能性がありますので、ご注意ください。

カラーはスペースグレイと、トワイライトブルーの2色です。

- この価格帯で6.3インチフルHDのディスプレイを採用
- リアカメラにソニー製の三眼カメラを採用。
- 4150mAhの大容量バッテリー
- 台湾MediaTek社製のHelio P23採用でまぁまぁ動くように
- SIMカード×2+SDカードスロットありで容量不足も解決可能
- ほぼ純正Androidで、最新のバージョン9を採用。
購入先と開封の儀
今回はプレセールを行っていたAliExpressのUMIDIGI Official Storeで購入しました。モデルはメモリ4GB、スペースグレイのGlobal版。価格は送料込みで¥ 9,997円でした。発送から受け取りまで10日かかっています。

いつもの白いビニール袋。

今回は薄手のスチロールで巻かれていました。

珍しく箱に凹みなし。10,000円の割には上等な化粧箱に入ってきました。オッサンがときめくデザインですね。

意味なく化粧箱が二重に。やる気を感じます!

サンクスカードまで入っていました。本体にはXiaomiを真似したようなシールが貼られています。ただフォントデザインが大手に比べて手抜きですね。

最初から保護フィルムとケースが付いている状態で箱に入っています。10,000円にしては親切。

裏面にも保護シールが貼られていました。ご丁寧に各種機能も解説されています。初心者にはありがたいですね(でも初心者にはオススメしませんが・・・)

背面には指紋認証ボタン。認証は爆速です。カメラは本当に3つレンズがついています。

付属品一式。USBケーブルはMicroUSBですが、赤色でかっこいいですね。

これはストアの配慮だと思いますが、USプラグが入っていました。5V=2Aで充電できます。

マニュアルもいちおう日本語で書かれています。

化粧箱や付属品がしっかりしていると安心ですね。フィルムと保護ケースがついているのも助かります。
ボディとディスプレイをチェック

寸法 |
重量 |
ボディ |
SIM |
ディスプレイ |
ディスプレイサイズ 2280×1080 px/FHD+, (400 PPI) |
サウンド 3.5mmジャック○ |
センサー |

トップ側には何も端子がありません。

ボトム側。スピーカー穴。USB端子(Micro USB)、MIC穴、3.5ミリジャック。

左側面。SIMトレイがあります。フレームは金属製ですが、塗装がいまいちなのか、アルミ合金のクオリティがいまいちなのか、HuaweiやXiaomiの質感に比べてやや劣りますが、かといってプアなわけではありません。

右側面。上から音量ボタンと電源スイッチ。しっかりと作られています。本体が厚いので、カメラはさほど飛び出していません。カバーを付けると出っ張りはなくなります。
ディスプレイをチェック


ディスプレイはIPS液晶ではなく、安価なLPDS液晶ですが、フルHD+ですので、十分にキレイです。10,000円でフルHDというのは本当に価格破壊です。
フロントカメラの納まりは流行の水滴ノッチになっています。
液晶の発色はキレイではありますが、けっこう青みがかっています。これは好みの問題ですぐに慣れると思います。
ベゼルは上下左右ともかなり狭いです。ボティに対する画面比率が92.7%なのも確かなようです。
ガラスは強度の高いゴリラガラスを使うのが定番ですが、本製品はどのメーカーのモノを使っているのか不明です。強度は見た目は問題ありません。
付属のソフトケースをチェック

クリアケースが付属していることが多いのですが、本製品は大人な革調のソフトケースが付属してきました。

内側はなぜかラギッド調です。やわらかく、本体にもフィットします。
重量をチェック
※写真準備中。
公称値203g超えなので、やはり最初持ったときにはずしりと重く感じます・・。ただ慣れると問題ないでしょう。
UMIDIGIは重さと厚みを捨てて、その分、価格を下げていますので、ここは10,000円ですから仕方ないところです。
パフォーマンスをチェック

OS |
SoC |
RAM |
ROM |
Micro SDカード |
Antutu score |
OSは最新のAndroid 9 Pieを搭載

中華スマホにありがちなのが、独自OS(Androidベース)を使っていて、日本語に対応していないということがありますが、UMIDIGIは最初から独自OSを諦めているので、素のAndroidに近いOSが入っています。正確にはAOSPにカメラアプリなど少しアプリと追加した感じです。いわゆるAOSPベースのカスタムROMです。
ある意味、Google仕様なので安全とも言えます。本当のこと言えば、アップデートまでサポートしてくれるGoogle Oneに対応してくれれば言う事なしだったのですが・・・そこまでは中小メーカーではやってくれません。
起動時は英語ですが、すぐに言語を選択でき、日本語に変更可能です。このあたりは素のAndroidならではですね。まったく心配がありません。
ホームも見慣れた画面。余計なアプリはほとんど入っていません。左にフリックするとGoogle Feed (Discovery)がちゃんと表示されます。
ボタンの設定やフェイスアンロックの項目が追加されています。ちなみに顔認証は問題なく登録・認証できます。
メモリとストレージ
メモリは4GBもありますので、十分な容量です。ストレージは32GBしかありませんが、SDカードを増設できますので心配ありません。

ちなみに本体の内部ストレージは標準的なUFSではなく、一昔前のやや低速なeMMCです。このあたりはコストダウンで仕方ないかと。
ベンチマークを計測してみました
チップセットは台湾MediaTek社のHelio P23。最新のSoCではないですが、ミドルクラスの性能を持ちます。Antutuベンチマークで8万点近くの成績がでています。
Antutut スコア Geekbenchスコア
ゲーム性能をチェック:卒なくこなす
激重系のゲーム「荒野行動」「ミリシタ」で試してみました。いずれも少し遊んだだけですが、多少カクつくことはあってもプレイできないというような状態にはなりません。普通に楽しむ分には問題ないと思われます。
軽量クラスのパズドラやモンスト、ポケモンGOなどは問題なく動くでしょう。

荒野行動。たまに引っかかるようなカクつきがありますが、問題ありません。

ミリシタ。3D標準であれば問題なくプレイできます。3D高画質もいちおう動くようです。
ただし、3D系ゲームはチップ的に無理をしているのか、かなり発熱します。指紋認証ボタンあたりが40度近くになることもあります。ただ熱くてサワレない、いわゆるアチアチまでにはなりません。

ゲームの反応に大事なタッチポイント。いちおう標準的な10ポイントで計測してくれています。手抜きはありませんでした。
ネットワーク性能をチェック

3G Band |
4G Band |
Wi-Fi 2.4Ghz/5Ghzデュアルバンド WiFi Direct対応, ホットスポット対応 |
Bluetooth |
GPS A-GPS, Beidou, GLONASS, GPS |
NFC |
ラジオ |
USB |
DocomoとSoftbankのプラチナバンドに対応
UMIDIGIのグローバル機種の特徴ですが、かなり多くの4Gバンドに対応しています。プラチナバンドについても定番のSoftbankのB8はもちろんのこと、DocomoのB19にも対応しています。auのB18/B26にも対応しているのですが、auは独自仕様が多いので、メーカーとしてはau不可と表示しています。

実際にDocomoとSoftbank回線で4G接続を確認しましたが、問題ありません。DSDVで対応しています。
ちなみに技適ですが、他のUMIDIGI機種と同様に取得の見込みだそうです。
Wi-FiやBluetoothも問題なし
Wi-Fiは2.4Ghzと5Ghzのデュアルバンドですので十分ですね。ちゃんと動作確認が取れています。
Bluetoothはちょっと古めの4.2ですが、まぁエントリーレベルなので良しとしましょう。UMIDIGI社のBluetoothイヤホンで接続してみましたが問題ありません。ただしAACには未対応。
USBは古いMicro USBコネクタが採用されていますが、これもエントリーなので黙認です。
テザリングについては、チャンネル14問題があるようですが、アップデートで解消されたという未確認情報もあります。筆者の環境では問題なくてテザリングできています。
FMラジオを受信可能
最近の機種には珍しくFMラジオが受信できます。最初からアプリがインストールされているのでそれを開いて、イヤホンをジャックに差し込むだけです。

こんな簡単なアプリがついてきます。いちおう動作確認は取りました。災害時の情報取得に役立つかもです。
カメラ性能をチェック

背面カメラ サブ:8 MP サード:5 MP |
前面カメラ |
背面イメージセンサー |
前面カメライメージセンサー |
UMIDIGI A5 Proのカメラの最大の特徴は、10,000円なのにトリプルレンズだということです。それもイメージセンサーはSONYとSamsungというちゃんとしたメーカーがつくったものです。
背面カメラに使われているSONYのイメージセンサーIMX397は1600万画素を出力でき、2年前のハイエンド機種OnePlus 5にも搭載されていほどのイメージセンサーです。古いとはいえ、モノはいいはずです。ただ光学手ブレ補正はついていません(デジタル補正はあり)。
超広角カメラは120°の視界を収めることができます。フラッシュもデュアルLEDです。
カメラアプリと画像処理が痛い・・・(改善中)
このようにハード的には素晴らしいのですが、残念ながらソフトの詰めが甘いのが、UMIDIGIです。一流メーカとの違いですね。
まずカメラアプリがショボすぎです。動作はもったりですし、機能も最低限です。マニュアルモードがありませんし、AIモードもありません。
ただいちおうHDR対応と、深度調整とビューティーモードはついています。
→(9/1補足)執筆後2度に渡るアップデートがあり、カメラ性能はだいぶ改善されました。黄色みがかる問題やフォーカスも修正されています。
標準カメラアプリの操作画面(左)。右は設定項目。HDRをOFFにするともう少し増えます。

あまりにもしょぼいアプリなので有志で開発しているGoogleカメラのカスタマイズ版が出るのを期待しているが・・・まだだ。
以下、筆者による撮影例です。

標準カメラで撮影した風景。やや黄身がかる傾向があります。

こちらが超広角カメラで撮影した同じ風景。左右端の歪みがひどいですね。またこちらの方が実際に近い色合い。
カメラ間で色味がこれだけ違うのは、チョット痛いですね。

普通にスタバを撮ってみました。違和感はありませんがちょっと歪が・・。

暗所ではそれなりに撮れていますね。HDRはONです。

物撮り。最初はなかなかピントが合わない画像が撮れていたのですが、手ブレのせいか、ソフトの問題なのか・・。適当な光をあてたことと、カメラアプリのアップデートがありましたので、それなりに撮れるようになりました。

人物はモデルがいないので、覆面のセルフィーにて失礼します。
以上カメラ性能をまとめると、アプデあるいは代替アプリによる伸びしろはあるものの、カメラ性能にこだわるユーザーには全くおすすめできないという印象です。ライトユーザー向け。

まぁ、ひどいと言ってもライトユーザーであればさほど気にならないかもしれません。
バッテリーと充電性能について

容量 |
急速充電対応 |
Qi ワイヤレス充電 |
バッテリー継続時間 |
バッテリーは4150mAhの大容量バッテリが採用されています。

ところがPC Markのバッテリーライフベンチマークで計測すると、9時間程度しかでません。2回計測しましたのでミスではないようです。同程度のバッテリーを積むXiaomi社のRedmi Note 7だと約16時間という高得点をマークしています。このあたりは燃費の良くないHelioプロセッサーだからということでしょうか。
ちょっと残念ですね。あまり期待しないてください。ただ実際に使ってみると、電源をOFFにしてれば結構持つという印象は受けました。
特別な急速充電には対応していませんが、10W充電できれば普段遣いには問題ないでしょう。

バッテリー性能はちょっと残念だな。アプデでの改善を望む。
まとめ :だめなところもあるが、10,000円で買えることですべて帳消し
以上に見てきたように、まぁいろんなところで詰めがあまいスマホですが、もともとのハード的なスペックが良いこともあり、普段遣いにはなんとか使えるレベルかなという印象。10,000円という爆安価格(日本Amazonだと13000円)を考えると、この程度の詰めの甘さは許せてしまいます。
カメラやバッテリーはそのうちアップデートで少しは改善されるでしょうし、有志によるアプリの開発も行われるでしょう。
そういう欠点も含めてこのスマホを使いこなせる人、あるいはそういう欠点が気にならない人に、このスマホはおすすめです。
細かな品質や使い勝手が気になる方はオススメしません。iPhoneかHuaweiを買いましょう。
とはいえ厳しいことも書きましたが、これで10,000円ですよ。アンビリーバブルです。
- 10,000円なのに信じられないスペック
- 10,000円なのに見た目は結構いけてる
- カメラは詰めが甘いけど、10,000円の割にはきれいに撮れる。
- 日本の特殊な4Gバンドと技適に対応している。
- ボディのディテールをみると造形の詰めが甘い
- カメラアプリの使い勝手が悪く、各種ソフト調整ができていない。
- バッテリーが意外に持たない
UMIDIGI A5 Proの評価

まぁクセの強いスマホだ。使いこなせればオトクな買い物なんだがなぁ。

初心者にはおすすめできないですね。