
AndroidカスタムROMについて
Xiaomiスマホに登載されているユーザーインタフェースMIUIはとても良くできていますが、ドロワー表示と、Googleニュースフィードに対応していないので、思い切ってカスタムROMを導入してみました。
カスタムROMとは?
購入したときから入っているソフトウェア(OSなど)一式を純正ROMまたは公式ROMなどというのに対して、民間で開発された非公式のROMをカスタムROMまたはストックROMといいます。ちなみにAndroidの場合は違法じゃありません。
以下にカスタムROM導入の損得を整理してみました。
⭕️ メリット
- 最新の技術を盛り込んだ開発バージョンを試すことができる
- 日本語未対応の端末を日本語化できる
- OSを変えることができる(イメチェン)
❌ デメリット
- 失敗すると文鎮化する恐れあり
- 公式の保証が無くなる
- アンロックするのでセキュリティが下がる
- メーカーが配布する公式アップデートに非対応
カスタムROM導入に似た行為として「ルート化」があります。使用者に最強の権限を付与し、普通では変更できない項目を変えたりする行為です。混同されがちですが、Fastboot方式で書き換えを行えばルート化しなくてもカスタムROMは導入可能です。
今回はGoogle謹製のPixelに搭載されているUIを再現したGoogle Pixel ROMを導入したいと思います。
まずはバックアップ
のちほどシステムのバックアップを別途取りますが、その前にGoogleアカウントでGoogleドライブにバックアップしておきましょう。インストール済みアプリ情報やアカウント情報などがカスタムROM導入後に簡単にリストアできます(ただしアプリ内設定は不可、LINEのトーク履歴は吹っ飛ぶので別途バックアップが必要です!)。
設定の[Googleアカウント]>[バックアップ]から今すぐバックアップで簡単に行えます。
とくにブートローダーアンロックのときにバックアップするのを忘れがちです。アンロック後に有無を言わさず初期化されてしまうので要注意です。
Xiaomiスマホをアンロックする
Androidスマホにはセキュリティ向上のため勝手な変更ができないようロックがかけられています。Xiaomiのスマホは申請した後、一定の期間経過しないとブートローダーアンロック(Boot Loader Unlock:BLU)ができない仕様になっています。
1️⃣ 開発者オプションをアンロック
「開発者向けオプション」という設定項目があるのですが、初期設定では表示されないようになっています。表示するには[デバイス情報]>**[MIUIバージョン]を7回叩く**と解除されます。
[開発者向けオプション]は[設定]>[追加設定]の中に表示されているはずです。
2️⃣ USBデバッグをON
開発者オプションの中にある[USBデバッグ]をONにします。
同じ開発者向けオプションにある[USBデバッグ(セキュリティ設定)]の方は基本的にONにしなくてもアンロックできます。もしONにして作業したい場合はMi アカウントに登録しておく必要があります。Mi アカウントは[設定]>[Mi アカウント]から登録できます。
3️⃣ Miアカウントの紐付け
同じく開発者向けオプションの中にある[Mi アンロック状態]から[アカウントとデバイスを追加]を押しMi アカウントとのスマホとの紐付けを行います。
4️⃣ USBをファイル転送モードに
USBケーブルでPCとスマホを接続します。 このときスマホ側でどのような通信をするか聞いてきますので、[**ファイル転送]**に設定しておきましょう。
5️⃣ FASTBOOTモードで起動
本体を電源+音量マイナスボタン長押しでFASTBOOTモードで起動します。
※慣れている方はコマンドプロンプトやPowerShellからコマンド入力でもOK。
6️⃣ miflash_unlockをインストール
PCにアンロック専用のアプリMi Unlockをインストールします。アプリは下記リンクからダウンロードできます。
7️⃣ Unlockする
Mi Flashを起動するとMi アカウントの入力が求められます。さきほど登録したアカウントと同じものを入力しましょう。
スマホが認識されますので、一番下の「Unlock」をポチッと押します。
するとなんども「本当にアンロックしていいの?」と聞いてきますが、Unlock anywayを押し続けます。
無事、アンロックされると初期化した状態で再起動します(データは全て消えます)。必要なデータは事前にバックアップしておきましょう。
ADB環境を用意する
スマホにコマンドを送るためのADB環境を構築します。
ADBとは
「Android Debug Bridge」の略語。 ADB環境を整えるとコマンドをアンドロイド端末に送り、各種設定をすることができます。
1️⃣ 15 Seconds ADB Installerでインストール
ADB環境を構築するにはいろいろ方法があります。オススメは「15 Seconds ADB Installer」というインストーラーを使う方法です。指示通り進めればタイトル通り15秒で終了します。
Minimal ADB and Fastbootも簡単に構築できるのでオススメです。
2️⃣ PowerShellを開く
実際にADBでスマホと通信できるか確かめます。適当な場所でShiftボタンを押しながら右クリックするとメニューが表れるので「PowerShellウィンドウをここに開く」を選択します。(コマンドプロンプトでも可)
adb
と入力してリターンを押すと、だらだらとADBの使い方の説明が英語で表示されればADB環境が構築されているということです。
3️⃣ ADBで通信可能か確認
続いてADBで通信可能か次のコマンドで確認しましょう。
adb devices
デバイスの番号が表示されればOKです。初回はスマホ側の画面にUSBデバッグを認証しますかという画面が出ると思いますので、OKしてください。Unauthorised
と出た場合はスマホ側で認証されていないということです。
カスタムリカバリ TWRP を導入する
カスタムリカバリのひとつTWRPを導入してカスタムROMを焼いていきます。
TWRP(Team Win Recovery Project)とは
カスタムリカバリ(Recovery)の一種です。リカバリとはシステムの初期化やOSの書き換えなどを行うためのもので、もともとAndroidに標準搭載されています。TWRPは標準リカバリをカスタマイズもので、非純正ROM(カスタムROM)を書き込んだり、システム(ROM)全体のバックアップをしたりすることができます。
1️⃣ ファイル名を変更
TWRPのウェブサイトにて、端末ごとのTWRPインストール用のimgのデータが用意されています。Mi 8用は下記にアップされています。1.5GBほどあるので余裕をみてダウンロードしておきましょう。
2️⃣ ファイル名を変更
今回はわかりやすいように「C:¥」直下に先にダウンロードしたTWRPファイル(twrp-3.2.3-1-dipper.img)を**「twrp.img」とリネーム**して配置します。
※慣れている方はダウンロードフォルダでもどこでも配置してください。あとでディレクトリを指定すればOKです。
3️⃣ PowerShellを開く
「C:¥」 直下に移動して、適当な場所をShiftボタンを押しながら右クリックするとメニューが表れるので「PowerShellウィンドウをここに開く」を選択します。
※コマンドプロンプトを開いてもOK。同じフォルダ内でPowerShellを開けばあとでディレクトリの入力の必要がありません。
4️⃣ Fastbootモードに切り替え
続いて次のコマンド入力してスマホをFastbootモードに切り替えます。
adb reboot bootloader
コマンドが通っていればスマホがFastboot画面になります。
5️⃣ TWRPをflash(書き込み)する
続いてPowerShellで次のコマンドを入力します。TWRPをスマホのリカバリーに焼きこめという命令です。
fastboot flash recovery twrp.img
数秒で書き込みは終了します。OKAYと表示されます。
6️⃣ TWRPを起動する
最後にTWRPを起動します。次のコマンドを入力します。
fastboot boot twrp.img
スマホ側でTWRPが開けば無事導入完了です。
※flashしなくて、最初からBootすればいいでしょ!と思われるかもですね。その通りですね。ただリカバリーを書き換えておいたほうが、のちのちROMを焼き直すときに便利なのと、バックアップやリストアするときに必要になります。
カスタムROMを入手する
さまざまなカスタムROMがある
世の中にはカスタムROMを開発してくださる方々が多くいらっしゃいます。Mi 8でも10近くのカスタムROMが存在します。詳しくは下記リンク先をご覧ください。
最もよく知られているのはXiaomi.euで配布されている通称「eu ROM」です。純正OSに最も近く、様々な言語に対応しているのが特徴です。中国国内版(CN版)を購入したときに、グローバル版が提供されていない場合に活用されます。ちなみにXiaomi.euはXiaomi社が運営しているサイトではありませんので、公式ROMではなくカスタムROMになります。
さて、今回はさまざまなROMがある中で、あえてPixel ROMを選びました。
Google Pixel ROMについて
Pixel ROMはその名の通り、Google謹製スマホであるPixel 3に搭載されているUIを再現したものです。いわゆる「素のAndroid」です。GoogleカメラなどGoogle系列アプリのみが最初からインストールされていて、Xiaomiの余計なアプリが無いのが魅力的です。
ちなみにPixelからROMをコピーしたわけではなく、AOSP(Androidオープンソースプロジェクト)ベースに開発されています。
XDAの配布サイトにはGoogle CameraやPlayground (AR Stickers)が使用できる一方で、赤外線認証と望遠カメラが使用できないと説明があります。
カスタムROMをダウンロード
ROMのデータは下記にて配布されています。注意書きもよくお読みください。
インストール説明の項目に”DM Verity & Force Encrypt disabler”を焼けとあります。これはROMを焼くときに暗号化を解除するソフトです。ROMと一緒に焼き込まないといけませんので一緒にダウンロードしておきます。
なおデータはZIPファイルのまま焼き込みますので解凍不要です。
カスタムROMを焼く
それではTWRPを使ってPixel ROMを焼いていきましょう。
1️⃣ 日本語にしておく
ホーム画面(左)、言語設定が英語だった場合は設定の右端の地球マークから言語を変更することができます(右)。
2️⃣ データのバックアップ
スマホに入っているデータをバックアップしておきます。ブートローダーアンロックのときにもバックアップを取りましたが、こちらはそれよりも重要で、ファイル起動時に読み込むEFSデータを含めてすべてのデータをバックアップすることができます。
まずホームから[バックアップ]を開くと左の画面になります。このとき一番下のEFSがバックアップ項目に含まれているか確認してください。ボタンをスワイプするとバックアップが始まります(右画像)
このとき作成したバックアップデータは、まだスマホのストレージの中にあります。このままだと、データを初期化したときに一緒に消えてしまいます!ですのでPCにデータを移しておかなくてはなりません。
データは内部共有ストレージ>TWRP>BACKUPSの中にあります。普通にデータをコピーしておけば大丈夫ですが、コピーに時間がかかりますので、余裕を見て置きましょう。
3️⃣ データを初期化する
ROMを焼く前にストレージにあるデータを初期化しておく必要があります。古いデータが残っていると新しいデータとバッティングするようです。
ホームから消去
を選びます。このままスワイプすると通常の初期化(Data, Cache, Dalvikの消去)が始まります。しかし今回はより高度なDataの初期化
(フルワイプ)をしなくてはダメでした。ただフルワイプすると内部ストレージのデータも全部消えますので注意が必要です。まず普通の初期化を試して、それがダメならフルワイプしてみましょう。
筆者の環境だとフルワイプするとPCからデータコピーができなくなってしまいました。仕方ないのでADB Sideload機能でZIPファイルをアップして対処しました。
4️⃣ ZIPファイルをインストール
ホーム画面からZIPのインストール
を選びます。ファイル選択画面になりますので、一番下の方に見えてくるROMのZIPファイルを選択し、スワイプしてインストールします。
画像にはMagiskのZipファイルが写っていますが、ルート化用なので今回は不要です。
ROMのインストールが終了したら、再起動せずに続けて、Disable Dm Verify Force Encrypt
をインストールします。これを同時に焼かないと起動しません。
5️⃣ 再起動
これで一連のインストール作業は終了です。ホーム画面から再起動
→システム
で再起動します。問題なければPixel ROMが起動します。
Pixel ROMを使う
初期画面。グローバル対応なので、特別な日本語化作業不要で、日本語を選択することができます。
冒頭でバックアップしたデータからリストアを行うことができます。「以前のスマートフォンを使用できない場合」の方を選択します。
場合によっては、これまで使用していた画面ロック解除の番号を聞かれます。
クラウド(Google Drive)上のデータからアプリと各種設定が復元されます。ただしアプリは新たにインストールし直しなので、細かい設定までは復元されません(アカウントは復元される)。
ホーム画面とかマルチタスク画面。3つボタン式から2つボタン式になっています。上にスワイプでマルチタスク画面に、さらに上にスワイプするとドロワー式のアプリ画面になります。
トラブルシューティング
筆者がこれまでハマったカスタムROM導入トラブルについて解決策をメモしておきます。皆さんのトラブル体験記も募集!
❓ Fastbootモードで起動したけれども、PCに接続するとすぐにpress any key to shutdownと表示され、ボタンを押すと再起動のループになる。
USBドライバーの問題のようです。筆者この問題にハマり半日ロスしました。解決法はPCやUSB差し込み口を変えるというものです。筆者の場合、同じ端末の別差込口では解決せず、なんとUSBハブを経由して接続すると解決しました。ネット情報ではWindows7にするとうまくいくだとか、USB 2.0に差し込むと解決するだとかいろいろあります。
❓ アンロックしようとしたら、Couldn't unlockと表示され、進まない。
解除まで待ちましょう。Unlock申請してから許可されるまで72時間から360時間かかります。申請が通過していない場合このような表示がでます。
❓ アンロックしようとしたら、下記のようにCurrent account is not bound to this deviceと表示され、進まない。
Current account is not bound to this device
Add your account and device in MIUI's Settings > Developper options >Mi Unlock status.
PCにおけるMi FlashのMiアカウントとスマホのMiアカウントが異なると表示されます。筆者またしてもこのトラブルにはまり、半日ロス・・・。Miアカウントを登録するときに電話番号で登録する方法とメールアドレスで登録する方法があります。スマホの方を電話番号にして、Mi Flashをメールアドレスにしていたのが、間違いでした。登録番号が異なっていたのです・・。
あわせて読みたい⬇
Share this post