【レビュー】オモチャスマホか?5000円の激安中華スマホの実力はいかに|OUKITELC5 PRO

マーロウ

中華スマホは未知の世界だ。HuaweiやXiaomiのように日本でも受け入れられる品質を持っているメーカーもあれば、聞いたこともないメーカーがとんでもない価格で販売もしていたりする。その実態を探るため激安スマホを購入してみた!

中華スマホについていろいろ調べていると、激安の中華スマホはいったいどんなレベルなんだろうと好奇心が湧いてきます。

XiaomiやOneplusなどの人気のメーカーなら、個人輸入されている人もかなりいて、レビューもすぐに見つかります。でもELEPHONEやUMIDIGIなどのように日本でまったく知名度のないメーカーのスマホはいったいどうなんでしょうか。

昨年末に、OUKITEL社のC5PROという4G対応スマホの並行輸入品が、Amazonにて見切り価格で販売されているの見て、おもわずポチッとやってしまいました。

値段は送料込みで4,999円(2017年12月)!。これは中国から個人輸入するよりもかな〜り安いです。実際にポチッとやった数時間後には売り切れてました。2018年4月現在でもGearBestで$81.99で販売されています。

とはいえ、使えないスマホを5000円で買うと考えると、まさに安物買いの銭失いです。すでにメインスマホとPCとタブレットがある状況で、サブスマホの活躍の場はないのですが、一つ活用法を思いつきました。

ちょうどネットワーク接続で困っていたAndroidカーナビのWi-Fiルーターとして使えるんじゃないかと。ちゃんとしたUSBルーターは10,000円程度しますし、それを考えれば安いもんだと、いつものように都合よく解釈したわけです。→※ルーター活用編は別記事で紹介します(結論だけ言うとあまり使えないです)。

では実際に使えるスマホだったのでしょうか。さっそくレビューしていきます。

ファーストインプレッション

長方形の紙箱に入ってきました。機能的に問題があるわけではないのですが、AppleやHuaweiの豪華な紙箱に慣れていると、ちょっとプアかなという印象をもってしまします。

ちょっと安っぽい紙箱

デザイン

購入したのはゴールドです。ブラックが良さげに見えましたが、ゴールドしか残ってませんでした。ただゴールドもそんなに悪くない色合いです。

フロントサイド:ボタンは静電式でスクリーンの外にあります。指紋認証ボタンは…ついてません。
バックサイド:独特の迷彩模様のバックパネルはプラ製。背面にスピーカー穴があります。
カメラ部分。スイッチボタンがプラで安っぽく、安定が悪いのは減点!
トップ:左にオーディオポート、右にMicroUSB差込口。
ボトム:マイク穴があるだけです。今どき珍しいタイプですね。エッジ部分の成形加工はよくできています。

本体の成形は意外によくできていると思います。ただしスイッチボタンがプラスチックでグラグラ動いて安っぽいのと、スクリーンのガラスと金属フレームの間にプラスチックのフレームがあり、これもやや質感を落としているのが残念です。

背面の迷彩柄は好みが別れるところです。私は嫌いじゃないですが、女性受けはしないでしょう。成形はよくできていて意外に触り心地は良いです。

以上、デザイン的に見ると惜しいところもありますが、まぁまぁのクオリティです。100$以下のスマホにしては良い方だと思います。

取り外し型のバッテリー

バッテリー容量は小さめです。今どき2000mAhは厳しいですね。半日ぐらい使うと充電が必要な感じです。ただ最近では珍しい取り外し可能タイプになっています(交換電池は17$ほど)。とはいえ5000円スマホに追加でバッテリーを買う気は起きないですね。必要最低限という感じです。

バックカバーを外した状態
電池を外した状態

同梱品

同梱品

保護フィルム

最初から本体に貼り付けられています。ただ他のレビューにもあるとおり、低品質なフィルムですぐに傷がつきます。張り替えるか、無しで運用でもよいかと思います。

シリコンケース

専用ソフトケースが付属します。ただ結構な厚みがあることと、本体が結構頑丈に作られていることと、さらにこの低価格を考え合わせて、ケースなしで使っています。

ACアダプターとUSBケーブル

中国で使われるCタイプが入っているかと思いきや日本で使われるAタイプが入っていました。5V1Aしかでない普通のタイプです。他ブログのレビューだとCタイプが入っている例もあるので、並行輸入のときにACアダプターのみ差し替えしたのでしょう。ケーブルも一般的なTYPE A to MicroBのUSBケーブルが付属していました。

マニュアル

低品質な印刷でペラペラの用紙に英語で書かれています。ちょっと印象が悪いですね。いちおう保証書もついてます。

スペック

エントリークラスのSoC

SoCが中華スマホの定番Mediatek社のMT6737で、RAM2GBROM16GBですので、いわゆるエントリークラス、下っ端の性能です。発売は2017年の1月ですからそんなに古くないのですが、OSはAndroid 6.0です。

SocはMTK6737(1.3GHz,Quad Core)。光のような速さと謳うがあるがそうでもない。

SIMとSDカード

デュアルSIM デュアルスタンバイが謳われていますが4G+3Gではなく、4G+2Gになるそうで2Gが使われていない日本では活用できません。

またSIM カードの大きさが古めかしいマイクロSIMで困ります。余っているNanoSIMを使おうと思ったのですが、サイズが合わないので下駄を履かせないといけません。大した値段ではないですが、下駄(SIMアダプター)を履かせることでNanoSIMは認識してくれました。

SIMカード挿入口。右からMicroSD、SIM1、SIM2。下駄をはかせてNanoSIMを差し込んでいます。SIM1、SIM2ともに認識してくれますが、同時には使えないようです。

外付けメモリはMicorSDで32GB まで増設できるようです。

バンド

中華スマホの一番の問題は国内通信各社のプラチナバンドに対応していないことです。本機種もご多分に漏れず非対応です。対応バンドは次の通り。

3G: WCDMA 900/2100MHz 4G: FDD-LTE B800/1800/2100/2600MHz(1/3/7/20)

必須バンドのB1とB3には対応しています。今回NTTドコモの回線を使うLINEモバイルとOCNモバイルで3ヶ月使用してみましたが、都会ではそれなりに4Gの回線を掴みます。ただ田舎にドライブにいったりすると3Gですね。都会ではいずれにせよ3Gの回線は掴みますので通信ができないということはほとんどないです。ただし山奥に行くと3Gすらつかまないようなので要注意です。

したがって外で通信をバンバンやる方はにはオススメできません。ちょっと外で通信をするけど室内のWi-Fiがメインであればさほど困らないでしょう。

あと海外スマホのもう一つの問題である「技適認証」は当然クリアしてません。あとは暗黙の了解ですね!

ソフト編

OS

ほぼ素のAndroid6.0が走っています。中国仕様ではないのでとくにROMを入れ替えなくても初期設定から日本語を選ぶことができます。Google Playも最初から入っており、問題なく使えます。

OSを動かすときの動作は問題ないというか、サクサクです。ウェブ閲覧もちょっともっさりしますが、まぁ普通に見ることができます。

ホーム画面

ベンチマーク

ベンチマークアプリで計測してみました。

Antutu v7
Geek Bench

まぁ予想通りしょぼいですね。Antutuさんが「ユーザーの2%を上回っています」ということは残りの98%に負けてますという意味でしょうか。まぁでも数年前のAndroidはこんなものでした。当時はiPhoneだけずば抜けてましたけど。Android機種の進化は目を見張るものがあります。

ゲーム性能

高付加ゲームでどこまでプレイできるか試してみました。

アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)

高負荷ゲームの代名詞デレステの3D標準を試してみました。結論的にいうとダメダメです。映像は動くもののボールがカクカク落ちてきますし、タップのタイミングも合いません。これはSoCの問題もありますが、マルチタッチが2点であることも影響しているかもしれません。結果的に楽しめないと思います。→✗

デレステはやはり満足にプレーできません。

荒野行動

最近流行りのアクションゲーム。インストールはできたのですが、起動途中でフリーズして先に進みません…。→✗

クラッシュロワイヤル

オンライン対戦ゲームです。動作はしますが、ユニットをおくタイミングなどにラグがでます。Wi-Fi環境ででるので処理速度の問題でしょう→あとで気づいたのですがマルチタッチが2点なのが原因かもしれません。スピード命のこのゲームにとって致命的な症状です。→✗

パズドラとモンスト

オンラインゲームの定番。もうリリースされて6年も経つそうです。いまだに人気ですねぇ。両方とも誰でも楽しめるように軽く動作するように作られています。2つとも試してみましたが、さすがに動きます。ただちょっとだけもっさり感がありますね。→○

パズドラ
モンスト

以上のように本機種はゲームには向いてません。ただ軽めのゲームであれば楽しめます。

セキュリティ

入手した機種は2017年6月のセキュリティパッチがあてられていました。さほど古くないですね。最近の中華スマホはマルウェア問題が騒がれていますので、いちおうノートン先生でマルウェアチェックをしてみましたが、検出はされませんでした。

ハード編

サイズとスクリーン

スクリーンサイズは5.0インチ。解像度: 1280 x 720 でやや低めのHDサイズですが、このクラスであれば普通かもしれません。最近はフルHDを搭載した機種がほとんどなので、それに慣れた目でみると若干ざらつきが気になりますが、慣れてしまえば全く問題ないレベルです。スクリーンの発色はまぁまぁではないでしょうか。特に問題はありません。

寸法は14.40 x 7.20 x 0.93 cmでやや厚みがあります。公式重量は138g。そうであればかなり軽いスマホと思ったのですが、他サイトのレビューにある通り、実際は176gでした(´・ω・`)。詐称はいけませんねぇ。

重量は詐称で176gもあります(T_T)。

なおスクリーンについて衝撃の事実がこの記事を書いていた終盤でわかったのですが、マルチタッチがたったの2点のみでした。ミドルクラス以上は10点あります。これではアクション系のゲームをやるには厳しいですね。

マルチタッチは2点。Antutuにて計測。

頑丈さが売り

本機種の売りの一つがスクリーンのタフネスさです。9Hの硬度を持ち、800MPaの圧力に耐えられ、引っかき傷に強いそうです。よくある宣伝文句だなと思ったのですが、下のYoutubeの映像見てください。強烈です…。ただこればかりは実際に自分で確かめる勇気がありません(※動画リンク先がなくなりましたので削除しました)。

石のように固く、信じられないくらいタフが宣伝文句

カメラ

背面はシングルの500万画素(3264×2448px)です。解像度的には問題はありません。ただカメラとしての機能は正直しょぼいです。屋外ではそれなりに撮れますが、室内はちょっと満足できない感じです。ただメモを取る程度やスナップ程度のクオリティであれば問題ありません。またいちおう笑顔認識もあります。

屋外での撮影
明るい室内での撮影

ミュージック

3.5mm オーディオポート(イヤホンジャック)を備えています。普通はボトムに着いていますが、こちらはトップサイドについている珍しいタイプです。

スピーカーは背面についているので、机の上に背面が下の状態で置くと音が出にくくなるのでは?と思いましたが、さほどこもったりすることもなく普通に聞こえます。ただスピーカーはモノラルですし、ざらついたキンキンする音ですので、警告音を鳴らす程度に思っておいたほうがよいです。

まとめ

+PROS いいとこ

  • めちゃくちゃ安い。圧倒的なコストパフォーマンス
  • タフなので、子供に与えても大丈夫
  • 日本語化の必要なし

−CONS ダメなとこ

  • プラチナバンド非対応。通信に不安あり
  • バッテリー容量低い
  • カメラ性能低い
  • ゲーム性能低い

バンドの問題もあるのでメイン機種としての使うにはちょっと厳しいです。ただメインスマホの故障時・バッテリー切れの代替機、つまりサブ機種としての利用価値はあると思います。 あるいは特別なタフネス性能を活かして子供向けのデビュースマホ用として活用するのに良いかもしれません。少なくとも5000円の価値はあると思いました。

OUKITEL C5PROの評価
デザイン
(3.0)
処理能力
(2.0)
ハード性能
(2.0)
カメラ
(2.0)
値段
(5.0)
総合評価
(2.5)
マーロウ
マーロウ

オモチャスマホと思ってレビューに望んだせいか、意外に悪くない性能であった。一昔前の中国製品のように安かろう悪かろうではない。無名メーカー出会ったもそれなりの商品をつくれる時代になってきていることを実感した一台だ。