マーロウ
初心者ながら苦労して自作PCを組み上げ、そこにMacOSを無理やり入れるHackintoshしたことを下記記事で取り上げました。
今回はその自作PCのコアとなる部分に採用したSamsung EVO 970の性能についてレビューしていきます。商品はこちら。
前から目をつけていたのですが、この11月から値下がりしてAmazonで10000円を切ったことと、ポイントセールをしていたので、ポチッとやってしまいました。普段遣いであれば普通のSATA接続のSSDでよいのですが、せっかく自作PCを組み上げたので最新のSSDがどれだけ早いのか試してみたくなりました。
いつものように中国から通販しないのか?とツッコまれそうですが、SSDについてはあまり価格の内外差がないのです。輸送待ちと保証リスクを考えるとAmazonで買うことをおすすめします。並行輸入している業者も多いですしね。
NVMeのSSDを購入するのは実は二回目。ノートPCに取り付けたことがあるのですが、ノートではその性能を最大限に発揮することができないので、デスクトップでやってみたくなったのです。ノートに取り付けた記事はこちら。
NVMeタイプのSSDの特徴とは?
Amazonのこの商品の説明には次のように書かれています。
- フォームファクタ:M.2(Type2280)
- シーケンシャル:読み出し3,400MB/s 書き込み1,500MB/s
- コントローラ:Samsung Phoenix コントローラ
- IF:PCIe Gen 3.0×4、NVMe1.3
専門用語ばかりですので、少し解説させてください。
SSDのインターフェース(IF)規格には大きく分けてSATAとPCIeの二種類があります。単純に転送速度が異なりPCIeの方が早くなりますが、その分価格も高くなります。またPCIeは高性能なNVMe対応のSSDの性能をフルに活用できます。
“NVMe(Non-Volatile Memory Express)”とは 新しいストレージインターフェイスの標準規格です。難しいことを抜きにしていうとSATAの6倍以上のスピードでアクセスできるかなり速い接続方式ということです。USBと違ってPC用の内蔵デバイスの接続に使われます。
またこの商品はM.2(えむどっとつー)のフォームファクタと説明があります。これはマザーボード上の接続端子の規格(フォームファクタ)の一つで、SATAとPCIeの2つの兼ねることができます。こちらも新しい規格ですので、古いマザーボードにはついていません。
NVMe型のSSDは実質的にM.2規格しかないので、マザーボードを購入するときはM.2の端子がいくつあるかも考慮しておくとよいと思います。M.2のあとにType 2280と数字が表示されているのは22mm×80mmというボードの大きさを示しています。
なお間違えやすいので注意すべきはM.2規格であってもSATA接続のSSDが多く販売されていることです。せっかくPCIe接続できるのにSATA接続してしまってはもったいないですね。安いからと言って間違えないようにご注意。筆者は過去に間違えて買ったことがあります(;´д`)トホホ…。
本商品はPCIeの規格の中でも最新のGen 3.0に対応していますので、NVMeの性能をフルに発揮できます。
EVO 970は最高レベルのSSD
EVO 970は2018年の4月に発売された商品でEVO 960の後継機種になります。商品の特徴にV-NANDだとかフェニックスコントローラーがどうのこうのと説明がありますが、他社製品と比べたときに機能の呼び名が違うだけです。ここでは耐久性とスピードに注目して、前機種のEVO 960との比較を交えながら見てみましょう。
耐久性がアップ
SSDの耐久性を図る指標としてTBW(Total Byte Written)があります。「この容量までは問題なく書き込めることを保証する」容量のことで、TBWが100TBということは、100TBの書き込みまでは保証するということです。
本商品は250GB : 150TB、 500GB : 300TB、 1TB : 600TB、 2TB : 1,200TBとなっています。1200テラバイトなんて気の遠くなる数値で、簡単にイメージできないですね。商品の保証が5年間あるので、普通につかって5年間ぐらいというイメージでしょうか。1日あたりそんなに使わない場合はもっと伸びることになりますね。このTBWは前機種の1.5倍になります。また保証期間も3年から5年へとUPしています。
ちなみにTBWと期間とどちらが優先されるのか?と思いますよね。答えはどちらか先に到達したほうだそうです。
読み書き性能もアップ
連続読み込み(シーケンシャルリード)と連続書き込み(シーケンシャルライト)がSSDの性能をはかる上でわかりやすい数値です。おおむねこの値が体感スピードと比例している感覚です。
本商品はリードが3500MB/s、ライトが2500MB/sというとんでもないスピードです(ただし250GBは3400MB/sと1500MB/s)。従来のSATAのSSDは500~600MB/sです。
前機種では3200MB/sと1500MB/sでしたので若干性能がアップしています。ランダムアクセスも少しアップしています。他社の製品も3000MB/sは超えてきていますが、3400MB/sというのはトップクラスです。
開封から取り付けまで
それでは早速、開封してみましょう。
商品は小さいのですが、立派な箱に入ってきます。
中も立派なプラケース。ちょっと過剰梱包ですよね。簡易包装にして安くしてほしいものです。
本体の表面です。裏面の写真を取り忘れてしまったのですが、裏面に放熱用の銅箔がはられているそうです。
マザーボード(MSI H370)に取り付けた様子。M.2端子にはめ込み、反対側をネジで抑える仕組みです。省スペースなのがいいですね。ほとんどメモリ感覚です。
デスクトップなので発熱はあまり気になりません。実際にベンチマークテスト中に触ってみましたが、生暖かい程度でした(40度くらい?)。こればかりは動作環境によると思いますが…。
MacOSx86に使う
筆者はこのSSDをぜいたくにもMacOSx86で使っています。MacOSも10.13 High SierraからネイティブでNVMe対応になっていますので、刺すだけで認識してくれます。OSインストールも問題ありません。
ただ10.14 Mojaveについては複数ドライブ環境にしているとインストール時にエラーがでることがあります。筆者も大変な目にあってしまいましたのでご注意を。詳しくは下記記事をご参照ください。
いちおうベンチマークを測ってみました。ほんとうはWindows環境で計測すべきなんでしょうが、都合でMacOS環境しかブートできないのでCrystalDiskMarkのMac版AmorphousDiskMarkで計測してみました。
若干スペック通りの性能に足りていません。これがHackintoshのせいかマザーボードのせいか…Windowsを入れてそのうち比べてみたいと思います。
それにしてもSATAの6倍近い性能なので動作は爆速です!とくに起動時間でわかりますね。普通サイズのファイルコピー程度ではSATAとのスピードの違いはわかりにくいです。
まとめ:これは良い買い物
以上に見たように本商品は爆速です。まったく不満はありません。今後は多くのPCがM.2のNVMeを採用していくことになるでしょう。ただしばらくの間はSATAに比べて価格が高いので、システム用のドライブとして流通するかもしれませんね。初期のSSDのように。データ保管用はSATAのSDDとしばらく使い分けの時代になりそうです。
PCの高速化を考えている方にはオススメです。もし現状がHDDであれば驚くほどの違いを体験できるでしょう(ほとんどの場合マザボも交換ですが…)。価格もだいぶこなれてきましたね。筆者はもうひとつ増設したい気持ちなんですが、もうスロットが空いていません…(;´д`)トホホ…。
いまだと購入検討対象は下記の商品になろうかと思いますが、やはり性能的には本商品が頭一つ抜けている感じですね。ただNVMeがあまりにも速すぎるので他社製品でも体感としてそこまでスピードの違いは感じられないと思います。あとは耐久性ですね。
マーロウ