中国テレビ王が送り出すエントリーモデルスマホを試す
ガジェット探偵事務所へようこそ!所長のマーロウ(@marlowesgadget)です。
今回はAmazonで投げ売りされていたTCL 10Liteを自腹購入したのでレビューしていきたいと思います。
TCLは中国の巨大家電メーカーです。特にテレビ市場で強く2019年度テレビ販売量が世界第2位の企業ですが、スマホ市場の知名度はいまいちで、大手四社(Huawei, Xiaomi, OPPO, VIVO)の後塵を拝しています。
かつてフランスのブランドAlcatelを使って日本に進出していましたが、さっぱり売れませんでした。
そこで本体のブランドを使って2020年から再度日本進出を試みているのですが、日本市場もすでにXiaomiやOPPOなどのライバルがひしめいていて、なかなか牙城を切り崩すのは容易ではありません。
今回紹介するTCL 10Liteもおそらく在庫がダブついてセールでたたき売りになったのだと思います。小売価格26,800円だったのが半額の12,800円で販売されていました。このスペックでこの価格は安すぎます。
ただ実際に使ってみると、たたき売りされるような端末ではなく、しっかりと作られていると感じました。
早速、詳しくレビューしていきたいと思います。
TCL 10Liteの概要とスペック
クラス的にはミドルローといえるでしょう。ただ性能的には一昔前のミドルハイ級です。SoCは定番のSnapdragonシリーズ。メモリは6G、ストレージは128Gなので、このクラスでは十分な容量です。
- 7色の光沢感ある美しいボディ
- 独自の高画質化技術を採用した6.53インチ大画面ディスプレーを搭載
- 業界トップの正確な色調再現技術…北米で1位の液晶テレビの販売台数を誇るTCL技術が凝縮されたディスプレイ
- 大容量メモリ4GB+128GB
型番 | T770B Arctic White/T770B Mariana Blue |
---|---|
カラー | アークティックホワイト/マリアナブルー |
サイズ (高さ x 幅 x 厚さ) | 約162.2mm x 約75.6mm x 約8.4mm |
質量 | 約180g |
OS | Android™ 10.0 |
CPU | Qualcomm® Snapdragon™ 665 |
メモリ | RAM:6GB ROM:128GB |
外部メモリ | microSD™ (最大256GB) |
ディスプレイ | 約6.53インチ 2,340 x 1,080 (フルHD+) LTPS液晶 |
バッテリー | 4,000mAh |
コネクタ | USB Type-C |
アウトカメラ | 4,800万画素 + 広角800万画素 + 200万画素 + 200万画素 |
インカメラ | 1,600万画素 |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth® | Bluetooth® 5.0 |
NFC | 対応 |
Felica | – |
SIM | nanoSIM |
通信方式 | LTE:B1/3/8/18/19/26 3G:B1/6/8/9/19 GSM:850/900/1,800/1,900MHz |
生体認証 | 指紋認証/顔認証 |
防水/防塵 | – |
センサー | GPS (GPS、A-GPS、GLONASS、Galileo、OTDOA) 加速度センサー/ジャイロセンサー/デジタルコンパス/光センサー/近接センサー/Face Key (Face unlock) |
本体付属品 | ACアダプター(9V/2A)/USB Type-Cケーブル/クリアケース/クイックガイド/安全情報シート/SIMトレー取り出しピン |
TCL 10LiteとRedmi 9Tのスペック比較表
10,000円台で購入できるエントリークラスのスマホとして日本国内ではXiaomiのRedmi 9Tが人気ですので、スペックを比較してみました。
項目 | TCL 10Lite | Xiaomi Redmi 9T |
---|---|---|
商品画像 | ||
寸法 | 75.6 x 162.2x 8.4 mm | 77.3 X 162.3 X 9.6 mm |
重量 | 180g | 198 g |
ディスプレイサイズ | 6.53″ | 6.53″ |
ディスプレイ種類 | LTPS液晶 | LTPS液晶 |
解像度 | FHD+ 1080 x 2340 px |
FHD+ 1080 x 2340 px |
リフレッシュレート | 60 Hz | 60 Hz |
ガラス強度 | ? | Gorilla Glass 3 |
SoC | Snapdragon 665 | Snapdragon 662 |
メモリ |
6 GB LPDDR4X |
4 GB LPDDR4X |
ストレージ |
128 GB UFS 2.1 |
64 GB UFS 2.1 |
Antutuスコア | 185,000 | 175,000 |
SDカード | ◯ | ◯ |
指紋認証 | 背面ボタン | 側面ボタン |
リアメインセンサー | Samsung GM1 | Samsung GM1 |
標準レンズ解像度 | 48 M | 48 M |
広角レンズ解像度 | 8 M | 8 M |
マクロレンズ解像度 | 2 M | 2 M |
ポートレート解像度 | 2 M | 2 M |
光学手ブレ補正 | ✘ | ✘ |
セルフィーセンサー | Samsung S5K3P9 |
不明 |
セルフィー解像度 | 16 M | 8 M |
5G対応 | ✘ | ✘ |
DSDS | ◯ | ◯ |
バッテリー容量 | 4000 mAh | 6000 mAh |
急速充電 | 10W | 18W |
無線充電 | ✘ | ✘ |
OS | Android 10 | Android 10 |
Amazon価格 | ¥17,500 | ¥15,739 |
SoCやカメラなどの基本的な性能はほぼ同じといえます。ただメモリやストレージなど一回り、TCL 10Liteの方が上位であるといえるでしょう。
Redmi 9Tはバッテリー容量が6,000mAhと大容量のため、そのぶん重くなっているのが特徴です。
TCL 10Liteの実機レビュー
開封の儀
良くも悪くも平凡なデザインの化粧箱。
化粧箱に高級感は無いです。フツーな感じ。
本体がお目見え。
付属品は充電器、USBケーブル、SIMピン、保護ケース、クイックガイドです。保護フィルムは最初から貼り付けてあります。
ボディをチェック
今回はマリアナブルーをチョイス。写真で見るよりも深い青で、けっこう渋めの良い色味です。
ディスプレイはこだわっているだけあってかなりキレイです。パンチホールになっています。
右サイドには電源と音量ボタン。
左サイド。予備ボタンとSIMトレイがレイアウトされています。予備ボタンには好みの機能を割り当てることができます。
ボトム。USB-Cコネクタとスピーカー。
カメラユニット。横並びの独特のデザイン。指紋認証ボタンはスクエアです。
標準添付のクリア保護ケースを装着。
うーん。ディスプレイに自信があるのはわかりますが、この文字は余計なデザインです…。
重量チェック。182gとやや軽め。
ケース込で206g。
充電器。5V⎓2Aの平凡なもの。本体も急速充電は10Wまでしか対応していません。このクラスでは必要十分ではありますが…。
SIMトレイ。本機種で一番残念なのは、SIMカードが一つしか入らないことです。DSDSができません…。
TCL 10Liteのパフォーマンスをチェック
OS
OSはAndroid 10ベースのTCL UIが搭載されています。ほとんど素のAndroidですので、クセはありません。
ベンチマーク
ベンチマークを計測してみました。Antutu v9とGeekbench5です。
Antutu(V9)で20万点。ミドルロークラスの成績です。Snapdragon 665ならこんなものでしょう。Geekbench 5も同様です。
本機種ならではの特徴として、左サイドに予備ボタンが一つあります。このボタンに好みの設定を割り振ることができます。
ゲーム性能
バトルロワイヤルゲームPUBGをプレイしてみました。
SoCが貧弱なので、グラフィックは「標準」止まりです。標準であればとくにカクついたりすることはありませんでした。
TCL 10Liteのカメラ性能をチェック
イメージセンサーは4800万画素のSamsung GM1(センサーについてはこちらの記事へ)。ミドルクラスでは定番のセンサーです。
操作画面。UMIDIGIなどの中華SIMフリー端末はカメラアプリがダメダメだったりするのですが、TCLはしっかりしています。というか、よく洗練されていて使いやすいです。
操作は標準的で、他機種からの移行でも問題ありません。
屋外での撮影
標準レンズ。
光学ズームはついてないですが、2倍ぐらいなら問題なし。
デジタルズームなので8倍くらいになるとノイズがひどいです。
超広角。変な歪みもなくきれいに撮れます。
色バランスに問題ないですね。赤でもきれいに撮れます。
マクロ撮影。あまり近くには寄れません。これが限界。
室内ブツ撮り。きれいに撮れます。
色味も問題なくきれいに出ています。
マクロ。あまり近くには寄れませんが、ピントはしっかりと合います。
セルフィー。ちょっと近すぎてピントが合ってないです…。リアほどきれいではありません。
リア。標準。ちょっと露出オーバーですが、きれいに撮れています。
リアポートレート。ややアンダーですが、ボケがきれいに効いています。リアカメラはかなりきれいに撮れる印象です。
以上、カメラ性能は「けっこうキレイに撮れる」と思います。ミドルクラスでここまで撮ることができれば問題ないと思います。
TCL 10Liteまとめ|ライトユースや入門用におすすめ。
今回、初めてTCLのスマホを使用してみましたが、意外にキチンと作られていて好印象を持ちました。とくにカメラ性能が良かったのが印象に残りました。安価なUmidigiやUlefoneなど選ばずにこちらにしておきましょう。
もうライトユーザーはこれで十分な性能だと思います。カメラもGM1でそこそこ撮れますし、軽いゲームなら問題なし。見た目も十分(クリアケースが格好悪いのが減点ですが)。
在庫がまだ残っているようなので、価格を見て購入を検討されてはと思います。
Pros.満足な点
- 価格以上の高いビルドクオリティ。
- 処理能力の貧弱さは否めないが、必要十分
- 価格の割にカメラ性能が良い
Cons. 不満な点
- 光学手ブレ補正非対応。
- クリアケースが格好悪い。
TCL 10Liteの評価
総合評価
価格以上の性能。写真もキレイ。ライトユース向け。
\TCL 10Liteをストアで探す/
\ あわせて読みたい /