MacProのケースを再利用してWindowsPCを作り上げる
ガジェット探偵事務所へようこそ!所長のマーロウ(@marlowesgadget)です。
今回は魔改造シリーズ第二弾!MacProのケースMODの記録をお届けします。
PowerMac G5とMacProのアルミケースといえば歴代のデスクトップMacの中でも最高にイカした筐体として知られています。Appleのデザイナーであるジョナサン・アイブのデザイン力がほとばしる名作です。
筆者は1年半前にPowerMac G5のケースを魔改造して、MacOSが稼働するPowerMac i7を制作した話をアップしました↓。ケースMODとはなんぞやという方はこちらの記事もご参考ください。
【魔改造】PowerMac G5 ケースMODにチャレンジ|最高にカッコいいMacをつくるぜ【Hackintosh】都合でWinPCが必要となり、中古部品で自作しようと思ったのですが、ちょうど都合よくヤフオクに筐体のみのMacPro(Ealry 2009)が格安で出品されていたので、おもわず購入してしまいました。
前回はHackintoshしてMacOSまで稼働させましたが、今回はWindowsだけ走らせるので、ハード的にも気が楽です。
MacProとPowerMac G5の違い
ケースMODに使われるのは、G5ケースの方が多いです。というのもMacProケースにはディスクドライブが2つもついているからです。いまどきディスクドライブ…役に立ちませんね。
ただMacProケースにも良い点が2つあります。
- 電源ユニットを置くスペースがある
- フロントパネルにUSBソケットが2箇所以上設置できる
ただPowerMac G5に比べてMacProは情報が少ないのが難点…。おまけに年式によってフロントパネルのつくりが違っていたりするので注意が必要です。
今回は次に紹介する映像を参考にしました。
この映像は香港の会社らしいのですが、映像のクオリティも含め、かなりヤヴァいです・・・。プロの仕事ですね。
こちらも中華系の方。かなり詳しく解説してくれています。
MacProを分解する
ヤフオクで3,500 円+送料で購入。ダンボールできれいに梱包されてきました。
側面パネルに擦り傷があります。美品ではないですが、個人的にはまったく問題ないです。
前の所有者さんもケースMODされたのでしょうか?電源ユニットがきれいに取られています。その他、DVDドライブやマザーボードの類も一切ありませんでした。筆者のようにケースMODするにはとても助かる状態です♪。
解体していて感心したのはGPU用のファンケース。プラスチックのバネでケースが脱着できるようになっていました。
9cmサイズのファンがこのプラケースに収まっていました。ファンは今回すべて交換します。
さて、ここから一番底にあるベースプレートを切断していきます。というのもATXサイズのマザーボードを入れるためには高さが足りないからです。
切断するには電動工具が必須です。今回、ミニルーターを購入してみましたが、結論から言うと、圧倒的にパワー不足です。ディスクが小さいので扱いやすくそれなりに精度がでますが、ものすごく時間がかかります。本体の発熱も半端ないです。
反対にパワーが強すぎるのがディスクグラインダー。あっという間に切断してくれますが、ディスクが大きいので、ブレも出やすいです。また事故になると大事ですので十分注意が必要です。とはいえ、最初からディスクグラインダーを使っていればだいぶ時短になったと思いました。
おっと。だいぶ飛びました。写真撮り忘れたようですm(_ _)m。
奥の部分がマザーボードと干渉するので切断していきます。ただ全部撤去するのではなく、冷却ファンフードを再度取り付けたいので、必要な部分は残します。
奥の部分はペンチでねじったりしてなんとか取り外します。圧着されているんですよね・・・。
はい。こんな感じになりました。マザーボードを仮置して干渉しないか確認しておきましょう。
マザーボードに雌ネジを取り付けたところ。写真撮ってないですが、PowerMacG5と同じで、既存の雌ネジを再利用します。金槌で横から叩けば簡単に取れます。
今回は、雌ねじの先端にエポキシパテを塗って、筐体と接着します。エポキシパテは硬化するとかなり強力な接着材です。筐体側はサンドペーパーで傷を付けておいたほうが接着力が高まると思います。
ただ接着する前に、よくよく取り付け位置を確認したほうが良いです。叩けば取れなくもないですが、下手するとマザボを壊してしまうかもしれません((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。
さて、実際にマザーボードをレイアウトしてみると、上方にギリギリ引っかかってしまいます。そこで仕方なく二枚重ねになっている仕切り板を一枚取り外すことにしました。
仕切り板を取り外す
仕切り板を取り外すには側面パネルを固定するレバーごと分解しないといけません。以前PowerMacG5で経験済みですので、今回は楽にできました。
まずレバー部分のピンを抜き去るのですが、その前にものすごく小さなワッシャー(のような抜け止め)部品を取り去る必要があります。この部品が無くなると組み立てのときに困るのでなくさないようにします。
あとはピンを強く押すと抜けます。
続いてスライド部分の棒を撮っていきます。ピンが3箇所刺さっているので取り去るのですが、これがまた難しい。
ピンの下でバネ状の部品で抑えていますので、これを押さえつけて抜き去ります。そうするとピンも抜けます。
こんな感じで仕切板が取れました。レバーは元に戻しておきます。
ただ雌ねじが依然としてマザーボードと干渉しているので、ミニルーターで切断しました。これでやっとATXボードが入りました。mATXならこんな苦労はしないかもしれません・・・。
バックパネルを加工
さて、難関の一つ。バックパネルの加工に入ります。前回はひよってLaser Hive社のパネルを購入しましたが、今回は節約プランで既存パネルの加工で対応します。
不安な方は下記リンクからパネルを購入することができます。
バックパネルはUSBとDPポートを利用予定です。マザーボードのポート位置をあわせ、まず最小限のカットでいけないか試してみます。
これくらいカットしてみましたが、結局、微妙に干渉してUSBが差し込めません。もう少し広く切断します。
ちなみにミニルーターは限界で、このあたりからディスクグラインダーで加工しています。
結局これくらい切り欠きました。素人加工まるだし感は突っ込まないでくださいm(_ _)m。もう少しマスキングテープ等で養生したほうが良かったかも…。
あと、すみません。写真が少なくて申し訳ないのですが、整流フードもマザボに干渉するので、該当する部分をグラインダーで切り欠きます。ここまでくるとミニルーターはお手上げ…。
フロントのUSBポートを改造
もうひとつの難関。フロントパネルの改造です。USBポートを使えるようにします。
いきなり飛びましたが、既存のフロントパネルの基盤です。すでにUSB-Aポート2つを取り外しています。この上にUSB-A3.0×2とUSB-Type C×1を設置します。基盤を壊さないように絶縁テープを貼っておきました。
マザーボードとつなぐケーブルを作成します。適当に余っていたケーブルを再利用します。基板側のコネクターは既存のもので。端っこは熱収縮チューブで最後閉じます。
電源スイッチの配線なんですが、情報が少なく難儀しました。MacProの年式によって配線が異なるようです。ネットに転がっていた下記の図通りで電源周りはいけました。
この図、反対の赤い丸の番号も繋がないといけないので注意が必要です。
いちおうダメ元でオーディオも配線してみたのですが、いまのところ機能していません…。オーディオはマザボ経由で背面から取ります。
あたらしく取り付けるUSB3.0ポート。Amazonで注文したのに、中国からの発送で到着に二週間もかかりました…注文するときには気をつけましょう。
スマホ充電用にType-Cポートも一つ追加します。
USB-Aポートにはネジで止めるようのネジ穴があるのですが、これが干渉するので、カッターで削り飛ばしました。
固定はエポキシパテを使ってみたのですが、あまり良いとは言えませんでした。というのもUSBコネクターの隙間からパテが入り込んできて、固まってしまい抜き差しの邪魔になってしまうからです。かなり時間をかけてパテを削り取る羽目になりました…。パテの付け方を工夫すればよいのかもしれませんが…。
ともあれなんとか固定は完了しました。すこし斜めになっているのが残念…。
このように基盤を取り付けたところ、USBケーブルが整流フードと干渉することが判明!しかたなく整流フードを切り欠くことになりました・・・
低価格でケースMOD!楽しめました。
今回はだいぶ写真を端折ってしまいましたが、無事下の写真の通り完成しました。
現在、グラボがとても高額なため、しばらくはiGPUで我慢です。ファンはCPU用に前後2つ装着していますが、フードを残したので十分な風量があります。
ディスクドライブは何も付けていないので空きスペースです。なにか活用方法は無いですかね?
PCIスロットなんですが、既存のスロット穴と微妙に噛み合っていません。1〜2ミリ程度。現在、Wi-Fiカードがなんとかギリギリ刺さっていますが、おすすめできる状況ではないですね。ただこれ以上マザーボードが上に行かないので・・・。仕切板を少し切り欠くという手もあったかもしれません。
以下に今回使用したアクセサリーを紹介しておきます。
いやぁなかなか楽しかったですねぇ。自作PCの醍醐味ですわ。
ではでは。最後までお読みくださりありがとうございます!
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