所長!大容量データを持ち運びしたいのですが、USBメモリだと入りません。何かよいガジェットありませんか?
よし!そんなときは爆速なNVMe型SSDをモバイルするといいぜ。ちょっと値段は張るが、ノートPCよりはコンパクトだ!
ORICOのNVME型SSDケースを紹介します‼
ガジェット探偵事務所へようこそ!所長のマーロウ(@marlowesgadget)です。
さて、今回は縁あってORICOさんからNVMe(PCIe)接続のM.2型SSD(ソリッドステートドライブ)のモバイルケースを提供していただきました。自腹購入ではありませんが、いつもどおりのレビューでいきますのでご心配なく。
本製品はM.2 SSDをUSB Type C (3.1 Gen2) に変換するSSDケースです。
- USBメモリでは対応しきれない大容量データ(256GB以上)の持ち運び(モバイルユース)
- PCデータのバックアップ
- 高速での大容量データのやり取りが多くある
- M.2型SSD(NVMe型)が余っていて活用したい
まず、ORICO社について。中国深センのPCアクセサリーメーカーです。ウェブサイトを見てもらうとわかると思いますが、しっかりした会社です。日本ではAmazonで直販していますので、そこから購入することができます。
AmazonからSSDやハードディスクのケース、コンセントなどが購入できるようですね。
SSD(ソリッドステートドライブ)も最近はけっこう普及してきたので、従来のHDD(ハードディスクドライブ)よりかなり高速なのはご存知と思います。
まずSSDの特徴について説明してきましょう。現状ではSSDは大きく2つのタイプに別れます。
- SATA接続型… 従来から使用されているSATAインターフェースで接続。転送速度に限界あり
- PCIe Gen3 (NVMe)接続型…新しいフォームファクターであるM.2でないと設置できない。マザーボードとはPCIインターフェースで接続する。SATA型の6倍の理論スピードを出すことができる。
今回紹介するORICOのケースは②のPCIe接続のNVMe型になります。速度を重視するタイプですね。違いについて、表に整理したのでご参考ください。
HDD | SSD(SATA) | SSD(NVMe) |
---|---|---|
普通の速さ | 速い | かなり速い |
200MB/s程度 | 500MB/s程度 | 2,000-3,000MB/s程度 |
標準的なSATAで接続 | 標準的なSATAで接続 | PCIe接続のM.2スロット必要 |
2.5〜3.5インチ。重たい | 2.5インチ(コンパクト) | 超コンパクト |
回転音がする | 無音 | 無音 |
容量比だと安い | やや高い | 高い |
ORICOのNVME型M.2SSDケースのセールスポイント5点!
それでは本製品のおすすめポイントを3点紹介していきます。
最初にA2000のスペックを確認しておきましょう。
スペック一覧
材質 | アルミニウム合金 |
出力ポート | USB3.1 Type-C |
転送速度 | USB3.1 GEN2 10Gbps(理論値) |
容量 | 2TBまで |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
寸法 | 29 x104 x10.2mm |
重さ | 38g(パッケージ除く) |
パッケージ | 1x 製品本体 1x タイプA~C ケーブル (5Gpbs) 1x タイプC~C ケーブル (10Gpbs) 1x ねじ回し 1x ネジ(3pcs) |
1 NVMeの性能をフルに発揮するUSB 3.1 Gen 2高速伝送!
本製品は、USB 3.1 Gen 2に対応しています。同規格は、理論上最大10Gbpsの転送速度がでます。といっても理論値で、実際はそこまで出ませんが・・(転送速でチェックはレビューにて)。
また高性能なマスターチップを搭載することで、安定したデータ通信を成立させているそうです。
なおUSB Type A to Cでも接続できますが、最大速度が5Gbpsに制限されます。
ただしPC側もUSB 3.1 Gen 2に対応していないと、恩恵は受けられないぞ。
2 USBメモリ感覚のコンパクトさ!!
モバイル用のSSDはすでに多く発売されていますが、2.5インチサイズが主流なので、ややかさばります。その点、M.2規格なので、長さ10cm程度、幅3cm程度とかなりコンパクトに納まります。
ホットスワップ対応、ドライバー不要で、差し込んですぐ使用できます。LEDランプによっていつでもデバイスの作動情況を分かります。また自動スリープ機能も備えています。
また最初からUSB Type A to CとType C to Cの2つのケーブルが同梱されているので、購入してすぐに使用することができます。
コンパクトさと簡便さはビジネスにとって正義だ!多少、値が張っても大人のビジネスマンは気にするな!
3 アルミ合金ボディで放熱性もバッチリ!
NVMe型SSDの欠点の一つに、あまりにものコンパクトさのため、強烈な発熱があることです。PC内部に設置する場合はエアフローがしっかりしていれば大丈夫ですが(ヒートシンクをつける方もいます)、コンパクトケースでは排熱に気を使わないと熱暴走してしまいます。
その点、本製品は次の対策ととっています。
- 熱伝導性の高いアルミ合金をケースに採用
- 大面積放熱銅を内部に採用
- 熱伝導性の高いゴムをケースと放熱板に間に設置
実際にディスクテストをした際には、連続アクセスでかなり発熱しましたが、暴走はありませんでした。ただし、それなりに(50度近く)熱くなりますので、注意は必要です。
コンパクトなボディの中に様々な工夫が詰められいるんですね。
ORICOのNVME型M.2SSDケースを使ってみました
化粧箱はブルーとホワイトの清潔なデザイン。Ankerに似ています。デザインもしっかりされていて好感が持てますね。
中身はプラケースでしっかりと固定されています。
パッケージ一式。ねじ回し用のドライバーが付属しているのが嬉しいですね。外出先で購入してもすぐに使用することができます。
アルミ合金のケース。面取りがきれいです。ただやや単調かな。スリットなどデザインが工夫できたかもしれません。
背面。EUの品質を満たすCEマーク、米国の基準を満たすFCCマークが確認できます。日本のPSEマークはありません。中国製。
ケースを開けてみました。スライド式。基盤は粘着性のゴムでくっついているだけです。Amazonレビューでは自分で貼り付ける仕様にしてくれたほうが嬉しいとありましたが、筆者も同感です。
パッケージはしっかりしているな。付属品に気遣いが感じられるぞ。
いちおう紙のマニュアルが付属していて中国語と英語で記載されています。日本語はありませんが、簡単なんで見なくてもできると思います。
ウェブにカラー画像で解説されていますので、こちらのほうがわかりやすいですね。
今回はKingstonのKC2000を装着します。
M.2スロットに差し込んでネジで留めるのですが、筆者はマニュアルを見ずに勧めたところ、勘違いしまして、ネジは基盤の裏から留める仕様でした。
このようにいったんケースから基盤を外して、裏からネジで留めます。
きれいに収まりました。
ケースを被せて、ビスで固定します。基盤はゴムで固定されます。
しっかりと回しておきましょう。
USBケーブルを差し込んで完成です。
USB端子に差し込めば、ホットプラグ対応なのでドライバーなしで認識してくれます。USB to PCIE Bridgeとして認識されています。
どのSSDも最初は初期化(フォーマット)しなくては使えませんね。「ディスクの管理」項目から設定します。
定番のCrystalDiskMarkで読み書き速度を計測してみました。まずはUSB 3.1 のType Aで接続してみました。
おおむね430MB/S近くのスピードがでています。ただこれだとSATA接続のSSDとさほど差がありません。
続いてUSB Type C to Cの3.1 Gen 2対応端子で接続して計測してみます。
シークエンスで940MB/s近くでています。かなり高速ですね!これだけのスピードがでてこそNVMeの真価が発揮できるというものです。
自分のPCや端末がUSB C Gen 2対応かどうかチェックしておこう。
※USB Type C対応の端子があればスマホでも使用できます。
まとめ|コンパクトさと大容量を追求するならこれ一択。
ケースはアルミ合金で質感は良いです。同じアルミ合金のMacBookなどと良くマッチすると思います。
ただデザイン自体は、単なる長方形。やや単調な感じですので、もう少し工夫があっても良いかなと思います。
ビルドクオリティは高いです。ケースもスライド式でピッタリとありますし、ネジもしっかりと締めることができます。
内部基盤とケースを固定するゴムがやや雑に貼ってあるのは減点ですが、閉じてしまえば大丈夫でしょう。
ベンチマークの項目で紹介したとおり、読み書きともに940Mb/sの程度のスピードがでています!PCがUSB 3.1 Gen 2対応ならその恩恵を味わうことができるでしょう。
一方で、USB 3.1 Gen 2対応でなければ、やや大きめのSATA型でも変わりませんので、そちらの購入をおすすめします。
これは未検証なので、評価しにくいですね。メーカーの方で5年保証だとか、TBWなどを公表してくれると信頼度が高まると思います。
1TBのNVMe型M.2SSDが15,000円程度です。本製品が4,500円なので約20,000円で一式組めることになります。USBメモリだと500GBでも20,000円超えなので、それに比べると安いですね。
一方で、大きさにこだわらなければSATA型SSDとケースの組み合わせであれば、ケースの選択肢が多いので、2,000円ほど安く組むことができます。
ORICO USB-C NVME M.2 SSDケースの評価
以上、ORICO USB-C NVME M.2 SSDケースをレビューしてきました。目的に合致すれば高速さとコンパクトさの恩恵を十分に味わえる製品と感じました。他に中華製の類似品がありますが、信頼できるこちらの製品がおすすめです。
これからNVMe型SSDが主流になっていくと需要が出てきそうな製品ですね。試してみたいと思います。
最後まで読んでくれてありがとう!おすすめできる商品なのでぜひ検討してみてくれ。
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