Xiaomiのミドルクラス人気スマホRedmi Note 7を自腹購入してみたのでレビューしていくぞ。
Redmi Noteシリーズはコスパ良好で中国で大人気ですよね。
そうなんだ。だけど日本ではいまいち知名度がないので情報が少ない。詳しく解説していくぞ。
ガジェット探偵事務所へようこそ!所長のマーロウ(@marlowesgadget)です。
今回はXiaomiのスマホRedmi Note 7について詳しくレビューしていきます。
2019年1月に中国で発売となったRedmi Note 7。格安なのに高性能なのが話題を呼び、当初は入手困難な状態が続いていましたが、3月になってやっと価格が落ち着いてきたので、自腹で購入してみました。
筆者自身、Redmiシリーズを購入するのは初めてなのでどの程度の能力があるのか楽しみです。長文記事ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。
- 20,000円以下の予算で高性能なスマホを購入したい方
- スポーツや工事現場などでアクティブに使いたい方
- 学生や新社会人などヤングジェネレーション
- 2台目のサブ機種として安価なスマホを探している方
- HuaweiやOppoなどのスマホと比較検討している方
Redmiについて:Xiaomiのサブブランドとして展開
中国のデジタルハードウェアメーカーXiaomi社(小米科技)はエントリーラインだったRedmiシリーズをサブブランドに格上げして新たにRedmiブランドを立ち上げました。
報道によれば中国でXiaomi社はHuawei社の若者向けサブブランドであるhonorに苦戦しているらしい。
もともとはネット販売をメインにしたコスパ機種でHuaweiから若者層を奪ったXiaomiですが、大手に成長した今となっては逆にリベンジされているんですね。厳しい世界です。
【中国のApple?】小米科技(Xiaomi)ってどんな会社?詳しく解説します【まとめ】
そこでRedmiシリーズを切り離し新ブランドにしてより若者向けに安価なコスパ機種をアピールする戦略と見られます。Redmiは2013年7月に立ち上がった製品シリーズで、1,000人民元(約16,000円)前後の機種を主軸に置いて展開してきました。
ブランドのポリシーは「ハードウェアの統合純利益率が5%を超えない」だそうです。簡単にいえばスマホ本体でほとんど利益を出さないと言うことです。
そしてブランド立ち上げと同時に発表されたのがRedMi Note 7です。カラーはブラック、ブルー、トワイライトゴールド(?赤紫に見えるが・・・)の三色展開です。
- 最安モデルは実売で20,000円を切る価格帯
- とにかくタフ。様々な検証を重ねて壊れないスマホを目指した。
- 頭脳となるSoCに高性能なミドルクラスのSnapdragon 660を搭載
- デュアルレンズに4800万画素の高性能カメラ
- 最新の印象を醸し出す水滴ノッチとグラデーションボディ
購入先と開封の儀
今回はセールを行っていたAliExpressのXiaomi Mi Storeで購入しました。モデルはメモリ3GB、ストレージ32GBのブルー。最も安いクラスです。価格は送料込みで19,342円でした。なんとか20,000円切り。
ちなみにストアはXiaomi Mi Storeと称していますが、Xiaomi社のオフィシャルストアではありませんのでご注意。
また今回購入したRedmi Note 7は公式グローバル版が登場していないのでショップROMのグローバル版です。
ショップROMって普通のグローバル版と違うのですか?
ややこしいのだが、違うものだ。ショップにて中国本土向けの本体(CHINA ROM)をアンロックしてグローバルROMを焼いたものだ。公式の商品ではないが、自分でアンロックする手間が省けるのは助かる。
輸送は9日間で届きました。通常の送料無料の配送です。本当に早くなりましたね。
硬めのエアークッションで梱包されています。多少の衝撃ではびくともしないと思われます。
化粧箱。今回はめだった損傷はありませんでしたが、通常はどこかが凹んでいたりします。それくらいのキズは気にしてはいけません。本来ならフィルム密封されているのですがショップROMのためすでにはがされています。
本体の登場。保護フィルムがおまけでついています。おそらくストアのおまけ商品だと思います。化粧箱にいつもの高級感はありません。
付属品をチェックしておきます。充電器は中国本土向けなのでAタイプ。日本でも挿せるやつです。ケーブルはUSB-A〜USB-TypeC。あとはソフトケースとシムピン。マニュアルがついています。
ボディとディスプレイをチェック
寸法 |
重量 |
ボディ |
SIM |
ディスプレイ |
ディスプレイサイズ 2340 x 1080 pixels FHD +, 19.5:9 (409 PPI) |
サウンド 3.5mmジャック○ |
センサー |
Global ROMを入れるため一度保護シールを剥がしてますが、キレイに貼り直してます。
ボディの特徴は、まず背面がこれまでアルミ合金のユニボディだったのがガラス仕上げ(0.8mmの強化ガラス)になったことです。
側面のSIMスロット。ミドルフレームはプラスチックに塗装です。ボディにアルミ合金は使われておらずコスト削減が図られています。
立体的にカーブするタイプではなく、フラットな二枚のガラスで挟んだ感じです。カメラユニットが結構飛び出してます。
最近の機種には搭載されなくなった3.5mmヘッドホンジャックが残っている点です。音楽をヘッドセットで聞く若者には欠かせないという判断でしょう。
いちばん左側にあるのは赤外線通信(IR)ポート。データ通信の他に、テレビなどのリモコンとして使うことができます。
やっとリバーシブルなUSB-Type Cコネクタが採用されました。これまでRedmiシリーズはMicro USBだったのでかなり購入意欲をそがれていましたが、これで安心です。
最新のデザインだけど、アルミ合金が使われていないので高級感はない感じですね。若者向けの要素が強い印象です。
ディスプレイをチェック
ディスプレイはIPSのFHD+で十分な性能です。はやりの水滴ノッチになっています。
液晶の発色はキレイな方だと思います。
ベゼルは1.95mm、外フレームを含めても4.07mmの狭フレームを採用。とはいえディスプレイ下部にはやや余白があります。
これはコスパの点からやむを得なかったようでXiaomi社いわく「将来的にコストがこなれてくれば」狭ベゼルを採用するそうです。
ガラスはコーニング社のゴリラガラス5になっていて、かなりの強度があるようです。発表会では、Redmi Note 7を複数の男性が繰り返し踏んでも、ハイヒールを履いた女性が繰り返し強く踏んでも、ガラスが割れないことをアピールする動画が流されたそうです。
付属のソフトケースをチェック
付属のケースはTPU製のソフトタイプ。透明です。
装着してみました。
透明なので背面のグラデーションボディを活かすことができます。
ただ残念なことにカメラユニットが飛び出してしまいます。気になる方はNillkinのNatureソフトケースをオススメします。
重量をチェック
計測してみました。公称値より2g重いのはフィルムの重量です。
付属のソフトケースを装着すると200g超え。やはりちょっと重いです・・。
大きさや重量は標準的ではありますが、上位機種と比べるとやや大きくやや重いです。Huawei製品と比べるともう少し軽くても良かったのですが、大容量バッテリーを積んでいるので仕方ないところですね。
パフォーマンスをチェック
OS |
SoC |
RAM |
ROM |
Micro SDカード |
Antutu score |
OSは最新のAndroid 9 Pieを搭載
今回購入したのはGlobal ROM入りでしたので、最初から日本語が選択できました。OSは最新のAndroid 9でMIUI10.2です。
最初からアンロックしてありますので、筆者のようにMIUIが気に入らない方はカスタムROMを入れることもできます。
ベンチマークを計測してみました
SoCはスナドラ660。最新のSoCではないですが、ミドルクラスの性能を持ちます。他社製品では(発熱問題から?)クロックダウンしたモデルもありますが、本製品では本来の2.2GHzで動作させていますので、Antutuベンチマークで14万点近くの成績がでています。
ストレージをチェック
RAMは3GBあれば通常の使用では不足することはほとんどありませんね。
ROMのサイズは32GBからと少なめですが、MicroSDカードで増設できるので問題ありません。
ハードは速度がでるUFSではなく価格重視のeMMCの方が採用されています。
ゲームやベンチマークソフトなどで約10GBのゲームを入れた状態。システムが約10GBなので、残りは10GBちょっとになります。
SIMトレイ。最近の機種にしては珍しくMicroSDカードが装着できます。
ゲーム性能をチェック
激重系のゲーム三種盛り「PUBG」「黒い砂漠」「デレステ」で試してみました。いずれも少し遊んだだけですが、カクついたりするなどの症状は現れていません。普通に楽しむ分には問題ないと思われます。
いずれのゲームでも発熱をチェックしてみましたが、さすがスナドラ660です。40°を超えることはありませんでした。
ネットワーク性能をチェック
3G Band WCDMA B1/2/5/8 TD-SCDMA B34/39 |
4G Band TD-LTE B34 / B38 / B39 / B40 / B41 |
Wi-Fi 2.4Ghz/5Ghzデュアルバンド WiFi Direct対応, ホットスポット対応 |
Bluetooth |
GPS GPS, Galileo, GLONASS, BeiDou, AGPS |
NFC |
ラジオ |
USB |
バンドは残念ながら中国仕様ですのでSoftbank回線しかプラチナバンドに対応していません。これは中華スマホの宿命ですので仕方ありません。
SoftbankのSIMカードを挿しまして、ちゃんと4G通信できているのを確認しています。
あとはなにげにDSDV(デュアルSIMデュアルVolte)に対応している点も評価できます。
Wi-Fiは2.4Ghzと5Ghzのデュアルバンドですので十分ですね。Bluetoothも5.0です。
USBは使いやすいType-Cコネクタが採用されています。これまでRedmiシリーズはMicroUSBでしたので評価できますね。
赤外線通信に対応
本機種、NFC(近距離無線通信)には対応していませんが、赤外線通信には対応していますので、Mi Remoteを利用して本機種をリモコンとして利用することができます。Google Play ストアから次のアプリがダウンロードできます。
テザリングに注意
最近のXiaomi端末はテザリングができないことがあります。下記の記事にて解決方法を紹介していますのでご参考ください。
【TIPS】AndroidでWi-Fiテザリングができないときの対処法|Xiaomi Mi Mix 2Sの場合
今回のRedmi Note 7でも同じ症状が確認され、[MVNOの種類]を[SPN]に変更したところ、同様に解決しました。
FMラジオを受信可能
最近の機種には珍しくFMラジオが受信できます。最初からアプリがインストールされているのでそれを開いて、イヤホンをジャックに差し込むだけです。
ただし、周波数設定が外国仕様で80Mhz以下を設定できないようです。これについてはうまい方法やアプリがあるかもしれません。発見したら報告します。
カメラ性能をチェック
背面カメラ サブ:5 MP, f/2.4 デュアルLEDフラッシュ, HDR, パノラマ |
フロントカメラ |
背面イメージセンサー |
前面カメライメージセンサー |
背面カメラビデオ性能 |
フロントカメラビデオ性能 |
Redmi Note 7の最大の特徴は、業界最高水準の4,800万画素の背面カメラを搭載していることです。イメージセンサーはSamsungのGM1。暗所では4ピクセルを1ピクセルとして扱うことで広い受光面積を実現しています。
ちなみにSONYのイメージセンサーIMX586はネイティブで4,800万画素を出力できるのに対し、GM1はソフト的にで4,800万画素を出力している点が劣っています。
これについてはXiaomi CEOのレイ・ジュン氏も理解していてIMX586がGM1よりも優れていることを認めていますが、IMX586が発売されたばかりですぐに搭載できないことから諦めたそうです。そのためIMX586を搭載したRedmi Note 7 Proを投入することを予告していました(発表済み)。
ちなみに4800万画素で撮影をすると長辺で8000pxという大きな画像が作成され、JPEGでも20M近く消費してしまいます。
よほど拡大するのでなければ4800万画素で撮影する意味はほとんど無い。とりわけソフト的に処理しているのであれば・・。
以下、筆者による撮影例です。
すべてオート撮影で未加工です。全体的にやや寒色系でしょうか。
それなりにきれいに撮れますね。
人物はなかなかモデルがいないので、公式の撮影画像例を紹介します。実際にもこの程度は撮れるのではないでしょうか。
目玉の48MP撮影ですが、どこにあるのかわかりにくいです。スライドメニューには登場しておらず、設定の項目にもありません。Pro撮影の上のスライドメニューに表示されていました。ちなみにISOは3200まで設定可能です。
バッテリーと品質保証について
容量 |
急速充電対応 |
Qi ワイヤレス充電 |
バッテリー継続時間 |
バッテリーと充電性能
バッテリーは前作と同様4,000mAhの大容量バッテリが採用されていて大満足です。
PC Markのバッテリーライフベンチマークでも約16時間という高得点をマークしています。
標準付属のACアダプタは標準的な10W(5V/2A)タイプです。形状は日本でも使われているAタイプでした。
標準添付の充電器は10Wまでですが、急速充電規格のQuick Charge 4.0に対応しています。QC4に対応していればUSB PDにも対応しているので、PD対応充電器(写真はAnker Atom PD1)で急速充電できます。試してみたところ18W(9V/2A)で充電していました。
USB PD対応充電器はAnker製品がAmazonで購入できますし、Xiaomi製品を輸入してもよいと思います。下記記事ご参考ください。
【レビュー】小型でシンプルな45W対応充電器【Xiaomi Mi USB-C Charger】MacBookにもおすすめ【レビュー】Anker PowerPort Atom PD1|ゴルフボールサイズなのにパワフルな急速充電器【30W】【レビュー】Anker PowerPort Speed 1 PD 60|コンパクトなのにハイパワーな急速充電器【ノートPC向け】
こちらは充電性能を他社の機種と比較したビデオです。
バッテリーと充電性能は申し分ない
保証について
発表会では品質について強くアピールしたようです。スペック以上に品質に注力したと言い、2018年はほぼ毎日、製品品質に関しての討論会を開き、品質の改善に努めてきたそうです。ガラスにわずかな傷でもつかないようする加工技術や、製品の四隅の強化構造、簡易生活防水、防塵機能など、ユーザーが実際に目につかないようなところで製品品質を向上させてきたといいます。
その自信の表れとして、保証期間を12ヶ月から18ヶ月に延長しています。日本で購入する場合も通販業者は対応してくれるのでしょうか??
こちらひたすらRedmi Note 7を破壊していく映像。ショッキングなので見るのは注意。
防水性能について
Xiaomiは防水性能についてはまったく力をいれていません。ですので公式な仕様のどこにも防水性能については記載されていません。ただ面白いことに次のビデオをみてもらうと防滴性能ぐらいはありそうなことがわかります。
レビュー動画
Youtubeに挙げられている公式PVと開封動画とレビュー動画を紹介します。購入をご検討の方にオススメです。
まとめ :20000円で買える超絶コスパスマホ
以上に見てきたように特段に突出した新技術が使われているわけではないですが、随所にミドルハイレベルの仕様を盛り込んできています。
通常なら30000円台の商品と思われますが、ハードで儲けない宣言をしていることから伺えるように、RAM3GB+ROM32GBモデルで999人民元(約16,000円)からという価格を打ち出しています。日本では通販業者を通じないと購入できないため20,000円程度になりますが、それでもかなりお買い得ですね。
4GB+64GBモデルは1,199人民元(約19,000円)、6GB+64GBモデルは1,399人民元(約23,000円)と発表されています。
日本ではHuaweiのNova lite 3やOPPOのR15 Neoなどが同じ価格帯ですが、性能は比べ物にならないくらい本機種のほうが優れています。中国から輸入することに抵抗がない方はぜひ検討してみてください。
- 20000円切りの価格帯ではスナドラ660採用で無双の性能
- 水滴ノッチにグラデーションボディというはやりのデザイン
- USB-Cやゴリラガラス採用などミドルハイクラスのパーツを使用
- デュアルカメラでそれなりにキレイな写真が撮影可能
- 大容量バッテリーで長時間の使用が可能
- 流行のデザインだが、プラスチックボディなのでチープ感は拭えない
- やや大きく、やや重い。もう少し軽量化してほしい。
- Softbank回線しか使用できず、技適未取得。
Redmi Note 7
Proとの違いは?
2月にはグレードアップしたRedmi Note 7 Proが発売されました。違いは次の通り。
- SoCがSnapdrago 660→675へグレードアップ
- カメラがSamsung GM1→SONY IMX586へグレードアップ
筆者の意見としては、30,000円近くなってくるとMi 9 SEが視野に入ってくるので、予算をもう少し挙げることができるのであればMi 9 SEの方が圧倒的におすすめです。
参考記事
Xiaomi、Snapdragon 660/4,800万画素カメラ搭載で約16,000円のスマホ「Redmi Note 7」|PC Watch
Redmi Note 7 Review: Good Start for the Redmi Brand|XiaomiToday
予想通り、高性能でコスパ良好モデルを送り込んできたな。ただオッサンにはちょっと軽いテイストな印象だ。若者向けにはいいかもしれない。
女性ならこういうテイストでも満足するかもしれませんよ。