ガジェット探偵事務所へようこそ!今回はなんと中国からロボット掃除機を購入してみたぞ。
えー!中国から家電製品を輸入したのですか?いくらなんでも怖くないですか?
確かに一抹の不安がないわけではないが、そこは信頼のXiaomi製品だからな。まぁ人柱と思って冒険してみたってわけだ。
チャレンジャーですねぇ。私はキチンと動いてくれればそれでいいですけど。
やれやれ。それでは早速レビューしていくぞ。
ロボット掃除機を買いたい!
ロボット掃除機。ルンバが出始めたときはものすごく高くて金持ちの道楽的なガジェットでしたが、最近は値段もこなれてきて使い始めたという人も多くなってきてるのでなはいでしょうか。
わが探偵事務所も秘書の熱烈な希望により、かねてから購入を検討していました。かつて10,000円以下の安物を購入してあっという間にバッテリーがイカれるという事件があり、今回は慎重に選びました。
すでにモップ掛けロボットのブラーバが稼働中して、どういう挙動を取るのか想像がつくので、アタマの悪い機種は勘弁です。となるとレーザーセンサーのついているルンバの900番台などになってしまいます。しかしこいつは高い!ので二の足を踏んでいました。
こういうときは中華ガジェットの出番です。信頼のXiaomiブランドでいくつか取り扱いがあります。でも大型家電を中国から買うのはやはり不安ですよね。実物を見ることもできないし、故障したら保証はどうなるのかだとか、消耗品はどうするだとかいろいろ考えます。
国内のAmazonを見ているとAnkerのロボット掃除機などもあり評価も良さそうなので迷いました(まぁAnkerも中国メーカーですけどね)。
Xiaomiのロボット掃除機
しかし最終的には輸入品のリスク承知で、高スペックなのに安価なXiaomi Roborock s50にしてみました。下記の商品です。結果から言うと満足のいく逸品でした。
Xiaomiは中国のスマホメーカーですが、有望なベンチャー企業と提携してXiaomiブランドで家電販売を展開してます。ロボット掃除機はRoborockというベンチャーメーカーが開発してます。Xiaomiについてはこちらの記事ご参考ください。
S50は第2世代にあたります。第1世代もまだ販売されていて100$ほど安いのですが、やはり最新の第2世代を購入して見たくなりますよね。第2世代は女性を意識したローズゴールド(S51)カラーやクールなブラック(S55)も発売されています。
この他に廉価版のXiaowaという機種もあります。こちらはレーザーセンサー機能がついてないので今回は選択外としました。
今回は当時もっとも安かったAliExpressで注文。送料込みで399$でした。他のセラーでは送料が6000円かかるところもあるので額面には要注意です!(大型ですからね!)。
セールスポイントをチェック
モッピング機能が追加
第2世代S50の一番の売りはモッピング機能がついたことです。背面の約1/3にモップシートを取り付け、水分を補給しながらモッピングしてくれます。
強力な吸引力と大容量バッテリー
2000Paという強力な吸引力を備えています。第1世代が1800Paでしたので更にパワーアップしています。電池容量も5100mAhという大容量バッテリーを備えており、最大で2.5時間の動作が可能です。実際に2.5時間も動かすことはまれですが、バッテリーの劣化を考えると大容量であるに越したことはありません。
NIDEC(日本電産)製のファンを採用。これによって2000Paという強力な吸引力を達成しているそうです。
2cmの段差もラクラク乗り越えていく
車輪のバンパーが工夫してあって、2cm程度の段差であればラクラクと超えていきます。モール程度であれば問題ないですね。和室の敷居も超えていこうとしますが、流石に3cm以上あると途中で引っかかってしまします…。
レーザーセンサーでマッピング
次は第1世代からの売り。レーザー距離計測センサーです。360度を毎秒1800回という頻度で計測しマッピングができるそうです。それにより効率的な動作と位置確認ができます。
カーペットを自動認識
カーペットを自動認識して、吸引力を最大限に引き上げることができます。そしてカーペットから離れるともとの通常吸引力に戻るように設定されています。
センサーとソフトバンパーで衝突を回避
前面には3mmのソフトラバーがついており、家具への衝突を防ぐようになっています。また上部は360度、前方は150度の圧力センサーがあり、ぶつかって挟まってしまうリスクを自動的に回避できます。
段差にも落ちず
前方には4つのセンサーがあり、段差で落ちてしまうことを防止するようになっています。またセンサーは壁面を認識し、壁面から10センチ程度はなれて、壁に沿いながらクリーニングしていくことができます。
またもし侵入してほしくない場所があれば、別売のヴァーチャルウォールを設置して侵入を防ぐこともできます。
自動で充電ポートまで戻ってくる
クリーニング完了後、自動で充電ポートまで戻ってきてくれて充電を始めてくれます。この機能はロボット掃除機に欠かせません。
アプリ連携で細かな区域指定も可能
専用のアプリと連携させることでマップ上の特定の位置を、指定して掃除させることもできます。また外出して戻ってきたあとに、清掃がキチンと完了したかどうかの確認もできます。
寸法は標準的。ソファーの下もくぐれます。
本体とチャージャーの寸法です。直径約35cm、高さ約10cm。一般的な大きさですね。チャージャーは第1世代より小さくなっています。
本機種のPRビデオです。動画で動きを確認したい方におすすめです。
ルンバ980との性能比較
購入の参考に、ライバルとなるルンバのハイエンドモデル980と性能を比較してみます。
項目 | Roomba 980 | Xiaomi Roborock 2 |
---|---|---|
寸法 | 35.3 x 9.2 cm | 35.0 x 9.65 cm |
本体重量 | 3.9 kg | 3.5 kg |
吸引力 | 1,670 Pa | 2,000 Pa |
モッピング機能 | ||
稼働時間 | 120 分 | 250 分 |
ワイヤレス機能 | ||
清掃範囲 | 185 m2 | 250 m2 |
集じん容積 | 600 ml | 500 ml |
騒音量 | 70 db | 60 db |
スケジューリング | ||
リモートコントロール | ||
インテリジェントマッピング | ||
カーペット清掃 | ||
フィルター | HEPA | HEPA |
バーチャルウォール | ||
アマゾン・アレクサ対応 | ? | |
自動充電 | ||
スポット清掃 | ||
エッジ清掃 | ||
価格 | 1000$程度 | 400$程度 |
性能は、ルンバ980と比べてほとんど変わらないどころか、一部はRoborockが良い項目もあります。細かな性能は単純には比較できないですが、機能面からみる限り、Roborockがルンバ980に劣らない高性能ロボット掃除機であることがおわかりいただけると思います。
開封の儀と各部チェック
大型のためか配送の選択肢はなくDHLのみ。おかげで注文後、わずか3日で到着という高速配送です。トラッキングで見てみると中国を発送して翌日に届くというスピード!それでは早速開封していきましょう。
開封の儀
DHL→佐川経由で届きました。シールでぐるぐる巻きです。
シートをはぐと外箱が現れました。Robolock社の製品で、Xiaomiとはどこにも書いていません。
このように二重箱になっています。輸送が雑な中国ならではですね。今回はさほど箱は凹んでません。角は少し凹んでますが・・・。
箱を開けるとクイックスタートガイドと付属品の箱があります。
中蓋と取ると本体とチャージャーが登場。
付属品その1。上からチャージャー、フィルター、電源ケーブル。変換アダプター。電源ケーブルが中国式のAタイプなので変換アダプターがおまけで付いてきました。本体は100V〜240V対応なので電圧の問題はまったくありません。見た目の問題とコンセントからちょっと出っ張るのがマイナスポイントです。
付属品その2。モップ用アダプターです。シートも付属しています。
各部をチェック
本体の上面。中央の出っ張りはレーザーセンサーです。手前に3つのボタンがあります。中央が主電源。向かって右がスポットクリーン、左が充電に戻るボタンです。
音声は残念ながら日本語には対応していないので英語で使用しています。各ボタンを押すとGoing back to the dock.などのように英語で喋ります。
手前の下部出っ張りがバンパーで障害物にぶつかると方向を転換します。
背面の様子。上部はもッピングシート、中央は吸引口、両脇に車輪、手前右がサイドブラシです。
中央の吸込口とブラシのおさまり。簡単に分解することができます。
ブラシ部分を取り外してみました。使用後なので汚くてすみません。
サイドブラシは片側に一つだけです。機能的には問題ないと思いますが・・。ネジで外して交換できるようです。
メインのタイヤ部分は段差を乗り越えられるよう、凹むつくりになっています。
上面に戻って、集じん部(ダストビン)です。クリーニング用ブラシがセットされています。ブラシはフィルターの掃除に欠かせませんので失くさないように注意。
集じん部は簡単に取り外すことができ、そのままゴミ袋へ入れてあけると散らからずに捨てることができます。
モッピング用の水タンクです。角の穴から水を入れる仕組みです。
シートは上部を溝に入れて、下部をマジックテープでとめる仕組みになっています。
このように簡単に取り外して選択や交換ができるようになっています。
デザインについて
いいですね。ルンバはアメリカンな感じですが、こちらはちょっとやわらかい感じです。Appleデザインへのリスペクトが半端ないXiaomiブランドを冠しているだけはありますね。ただホワイトなので汚れがつくと目立ちます。この点はダークカラーなルンバのほうが実用的です。なお外観に中国語表記はないので簡単に中華製品とはわかりません。
サイズについては、普通のサイズ感でルンバとほぼ同じ大きさです。とくに不満は無いのですが、やはりもう一回り小さいと細かな動きができ、収納スペースにも困らなくなりますね。今後に期待です。
各部はしっかりと作られていて感心するな。安物にあるようないい加減さがまったく見られない。
ゴミの取り出しやフィルターの取り替え、モップシートの付替えも簡単ね。よく考えられているわ。
かなりルンバを研究している感じを受けるぞ。
アプリとの接続:Mi Home
本機種の特徴の一つがスマホアプリとの連携です。Mi Homeというアプリをインストールすることで簡単に連携できます。
Mi Homeのセットアップ方法は下記記事にて紹介していますので、ご参考ください。MiアカウントというXiaomi製品用のアカウントが必要ですが、作成はそんなに手間ではありません。
Mi Homeのデバイス登録画面からRoborock Vacuumを選びます。二人以上で使う場合はデバイスをシェアすることもできます。
レーザーマッピングの様子。黄色い丸が現在地、緑の電源マークがチャージャーの位置です。このマッピングデータは保存されず、毎回作り直しています。データを保存して学習する機能がついていれば言うことなしなのですが・・。今後に期待ですね。ちなみに上の画像ではサイドブラシがブロックされているよと注意してくれてます。
アプリで範囲を指定してスポットクリーニングしてみました。テーブルの足回りは円形の軌跡が残っているところです。
設定画面。掃除履歴やリモートコントロールの設定ができます。またビデオ付きのユーザーマニュアルも見ることができます。おまけに行方不明になったときに呼び出す機能もあります。
掃除履歴の画面です。「!」マークは迷子になったときですね。チェックマークは無事完了。
半年使ってみてのレビュー
使いやすさとゴミ取り性能はどうか
使い方は簡単明快です。基本的に本体についている3つのボタンで完結します。範囲指定や自分で動かしたいときはアプリで細かく指定することができます。
吸引力は2000Paと公称しているだけあって、けっこうありますね。いろんなものを吸い込んでいくので、ゴミ捨てするときに注意が必要です。
レーザーマッピングの効果もあり、効率的に清掃してくれますが、マッピング履歴を残さない仕様なので、ときどきチャージャーの位置を見失ったり、挙動不審になります。このあたりはAI機能がまだまだですね。あと数年すればより進化すると思われます。
(追記)→ファームウェアアップデートによりマップデータを記憶できるようになりました。
こちらはイスの脚の間にはまったS50。無事脱出しました。こういうところはまったく問題ないですね。
気になるモッピング性能について
第2世代の最大の特徴であるモッピング。実際に半年使用してみた感想は、それなりに使えるが、あくまでオマケ機能、という感じです。わが家にはiRobot社のモッピングロボット・ブラーバがありますので、それと比較すると、ブラーバはモッピング専用なので前後の動きに重点を置いた動作をします。
それに対して本機種は掃除機なのでちょこまか回転します。ですので結果的に同じところを何度も水拭きしてしまうこともあります。またブラーバは乾拭き用のモッピングシートを取り付けることもできますが、本機種はかなり工夫しないと取り付けられないです。
とはいえブラーバを持ってない場合は、やはり手でふくよりも便利であることは変わりありません。
水の出方も気になると思いますが、いまのところドバっとでたりするトラブルはないです。いちおう毛細管現象を利用して染み込むように出てくるようになっていると説明されています。
なおモッピング機能が付いたことにより、充電ドックにフローリング保護用のプラスチックシートを取り付けるようになっています(床が濡れるので)。
静音性は想定の範囲内
以前につかっていた安物は爆音を出していて、個人的に耐えられないほどの大きさでしたが、本製品はそこまでの音は出しません。2000Paという吸引力がある割には静音フィルターの効果があるのか、ある程度抑えられています。
スマホアプリで計測したところ49dBでした。ちなみに50dBというと次のようなイメージです。
- 60 dB 静かな乗用車・普通の会話
- 50 dB 静かな事務所・クーラー(屋外機、始動時)
- 40 dB 市内の深夜・図書館・静かな住宅の昼
消耗品と手入れについて
ゴミ捨てとフィルターの手入れ
吸い込んだゴミは集塵ケース(ダストビン)に溜まります。0.48Lの容積がありますので、部屋の状態にもよりますが、2回から3回程度のゴミを溜めることはできます。
溜め込んだゴミは集塵ケースをまるごとゴミ袋にもっていってひっくり返せばOK。とても簡単です。
集塵ケースにはHEPAフィルターがついています。HEPAとは高性能フィルターのことで0.3μmの粒子を99.97%以上捕集する性能を持っています。このフィルターにもゴミが溜まるわけですが、通常は添付されているブラシで大きなゴミを落とします。
そしてこのHEPAフィルターはなんと水洗い可能になっています。定期的に水洗いすることである程度捕集力が回復します。それでも詰まって使えなくなれば交換することができます。
消耗品も中国から購入することができる
本製品の特徴の1つに、各パーツが独立モジュールになっていて、交換しやすいように設計されていることがあります。掃除機は各部品が激しく可動するので交換しやすいほうが長持ちしますよね。
そしてメインブラシ、サイドブラシ、フィルター、モップ布などは各消耗品は通販サイトから比較的安く購入することができます。GearBestなどのショップはもちろん、国内のアマゾンでも購入できるようです。消耗品についてもそのうちレビューする予定です。
電源ケーブルを日本のAタイプに交換する
付属してくる電源ケーブルが残念ながらCタイプ(EUプラグ)です。変換アダプターをつければ問題なく使えるのですが、格好悪いのと、抜けやすく、コンセントから飛び出すため、市販品のAタイプ電源ケーブルと交換できるか試してみました。
形状はよくある2ピンタイプ。商品添付のケーブルをよく見ると定格が250V/2.5Aとなっています。日本は125V/7A定格のケーブルがほとんどですが、INPUTの電流が2.2Aですので、大丈夫と判断しました。500円程度で購入できます。
家電量販店でもAmazonでも簡単に手に入ります。
プラグがこういう2ピンのタイプですね。
問題なく充電できています。
まとめ:素晴らしいパフォーマンス
ロボット掃除機の機能としては十分満足のいくものです。ただレーザーマッピング機能を搭載しているので、もう少し賢いかなと期待していたのですが、普通のロボット掃除機よりもやや賢い程度なのが残念ですね。
一般ユーザーからすれば、輸入品のため保証も期待できないし、日本語もしゃべらないので、やはりギーク向けという感じはありますが、ルンバを購入するのであれば、価格が半分以下のこちらの機種もぜひ選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
Xiaomi Roborock S50の評価
評価
PROS. 満足な点
- 高性能なのに40,000円程度で購入可能でルンバよりもお買い得。
- レーザーマッピングで効率的に清掃。充電器にも自動で復帰。
- 吸引力、清掃力に落ち度なし。
- 消耗品の交換が簡単におこなえ、中国から安く購入できる。
- おまけ程度だがモッピングも可能。
CONS. 不満な点
- ときどき位置を見失ったり、段差にハマることがある
- 電源ケーブルが日本仕様になっていない
- 音声が日本語に対応していない
- 高額商品だが海外輸入のため保証に不安あり
最後に英語なのですが、本機種のレビューをかなり詳しく紹介しているビデオを紹介します。購入を検討されている方にはおすすめです。
いやいや。Xiaomiブランドは家電もものすごい完成度だな。ルンバじゃなくてこちらで十分満足だ。
私も大満足です。面倒な掃除の手間がだいぶ削減されました。おまけに気づかないところのゴミまで取ってくれるのはうれしい誤算です。
どうだ。少しは私の目利きの腕を見直しただろう!
こういうのって、下手な鉄砲も数撃てば当たるってやつじゃないですかー。
やれやれ。