ガジェット探偵事務所へようこそ!所長のマーロウ(@marlowesgadget)です。
今回は中国のスマホメーカーOnePlusについて紹介したいと思います。人気メーカーなのですが、日本未進出につき情報が不足していると思いましたので、海外サイトの情報をまとめてみました。
5年前、OnePlusは一般消費者にとってはほとんど知られていない存在でした。しかし今日、世界的に見てOnePlusはスマホ業界の有名ブランドとしてよく知られるようになっています。残念ながら今のところ日本への進出は果たせていませんが、そのクオリティーの高さから進出が待ち望まれています。
OnePlusはどのようにして創業したか
OnePlus(ワンプラス、中:万普拉斯、通称:一加)は、主にスマートフォンを製造している中国のテクノロジー企業です。中国の広東省に本社(OnePlus Technology Co., Ltd)があります。
共同創設者であるピート・ロウ(Pete Lau, CEO, 1975年生)とカール・ペイ(Carl Pei, 1989年生)によって、2013年に設立されました。ロウとペイはどちらも、以前はBBKエレクトロニクス傘下のスマートフォンメーカーOPPO社で働いていました。
2013年12月、ピート・ロウとカール・ペイは、「より美しく、より高品質な製品」を生み出すことを目的として、「OnePlus」という独自の会社を立ち上げました。設立時、OnePlusの従業員はわずか6人でした。
設立当時のインタビューにピート・ロウは次のように語っています。
2013年8月、数人の友人が喫茶店に集まり、いろいろなことについておしゃべりをしました。やがて、会話はスマートフォンと市場の現状に向けられました。私たちはすぐに1つのことに同意しました。それは、市場の現状に非常に失望したということです。十分だと思ったAndroidデバイスは1つもありませんでした。実際、その日は誰もAndroidデバイスを使用していませんでした。これは私たちがそれについて何かをすべきだと気付いた瞬間でした。
https://www.qualcomm.com/news/onq/2014/05/16/qa-pete-lau-oneplus-launch-one
設立当初のOnePlusには製造施設がなかったため、ピート・ロウは以前務めていたOPPOの施設で製造することにしました。
「OnePlus One」という名前のスマートフォンは、2014年4月に正式に発表され、2014年6月にオンライン注文が可能になりました。
Oneは、高性能SoCであるSnapdragon 801を採用しながらも299$という破格の価格設定から、大いに好評を博しました。
ただ供給量が限られているため、当初は招待制のみの販売としましたが、これがまた話題を呼びヒットへと繋がりました。
その結果Oneは2014年12月までに、100万台近くを売り上げるに至りました(当初計画は1年間約50,000台)。販路も中国国内、欧州、インド、東南アジアへと拡大しました。
⇧Oneの発表からから1年余りを経た2015年7月にはOnePlus 2を発売。以後、事業は順調に拡大し、現在に至っています。
⇧OnePlus 8を開封する創業者2人。仲が良いですね。
OnePlusはOPPOの子会社なのか?
創業者であるピート・ロウとカール・ペイがOPPO出身のため、OnePlusはOPPOの別ブランドと思われがちですが、両社ともこれを否定し、独自のブランドだと主張してきました。
しかし2013年12月に会社を設立した4ヶ月後に、すぐさまスマートフォンをリリースしているという事実は大企業であるOPPOの支援なしには考えられず、実際にOnePlusの製品はOPPOの製造ラインを使用して製造されていることから、OPPOの影響はかなり強かったといえます。
子会社かどうかは資本関係を見ればわかりますが、OnePlus社の大株主はあまり知られていませんでした。しかし報道が伝えるところによると、OnePlus社には巨大な機関投資家1社が出資しており、それはやはりOPPOであったとのことで、当初はほとんど子会社のようなものだっと思われます。
しかしOnePlusが成長するにつれて、その存在はOPPOにとって看過できないものになっていったと思われます。
このことを裏付けるかのように、2020年、ピート・ロウはOujia Holdings Ltd.(OPlus)の上級副社長兼製品体験チーム責任者に就任したと報道されました。Oujia HoldingsはOPPOの持株会社でOPPO社の株式の全てとOnePlus社の株式の74%を保持しているとのことです。
このニュースはピート・ロウのOPPO復帰と騒がれましたが、実際にOPPOの経営にどの程度関与しているかはいまのところよくわかりません。
その影響なのか、最新のOnePlus 9中国大陸版では従来のHydrogen OSが廃され、OPPOが採用しているColor OS for OnePlusが導入されました。
なお共同創業者であるカール・ペイは2020年にOnePlus社から離れ、オーディオ機器を開発するNothingという企業を設立しています。
Oujiaという名前はOPPOとOnePlusに由来しています。OPPOは中国語で「欧珀」、OnePlusは「一加」(YiJia)は中国語でOnePlusの正式名称です。ここで、yiは1を意味し、jiaはプラスを意味します。そのため、Oujiaという名前が付けられました(OuはOPPOからのOサウンドです)。
OnePlusの特徴
会社の設立当初より企業スローガンは「NeverSettle」です。「腰を据えない」「決して満足しない」という意味です。
ベンチャー企業らしいキャッチフレーズだと思います。OnePlus社が巨大企業になった現在でもこのスローガンは掲げ続けられています。
スマートフォン業界にはたくさんのプレーヤーがいて、それらすべてがよく似た製品を作成しています。新規ブランドが群衆の中で目立つのは難しいことです。
OnePlusがこの業界で成功できたのには様々な理由がありますが、ここでは競合他社とは異なるユニークな戦略を3点紹介したいと思います。
1. 卓越したデザイン力
OnePlusはボディとソフトウェアとデザインにミニマリスト的なアプローチすることで、競合他社との差別化を図っています。
同社のスマホデザインは常にシンプルかつエレガントで、使いやすさに重点を置いていると言われます。。同様に、そのユーザーインターフェース(Oxygen OS)は、これまでに作成された中で最高のAndroidスキンとして称賛されています。
2. 限られたラインナップ
OnePlusのラインナップは、増えたは言え、競合他社と比較すれば少ない方です。
たとえば、Samsungは、Galaxy S、Galaxy Note、Galaxy A、Galaxy Mの各ラインで毎年数台のスマートフォンをリリースしています。
同じ中華スマホメーカーであるXiaomiやHuaweiも複数のラインで多くのスマホをリリースしています。
OnePlusは、同様の戦略は採用せず、そのぶんをより一つのデバイスに重点を置くことができます。これはAppleのiPhoneと同様の戦略であり、意識的に模倣をしていると思われます。
3. 積極的な価格設定とネット戦略
OnePlusファンの間で最も話題になるのは、同社が何年にもわたって価格を引き上げてきたことです。かつてOnePlus Oneは299$で発売されましたが、最新のOnePlus 9 Proは1000$を超えています。
とはいえ、iPhoneやSamsungのフラッグシップ製品と比較すると、未だにOnePlusスマホは安価であると言えます。たとえば、OnePlus 9にはSamsung Galaxy S21と同様のスペックがありますが、価格は安くなっています。
OnePlus社はまた、最初からネット通販に注力してきました。同社の製品のほとんどすべてがWebサイトから直接入手できます。
しかし、同社は製品販売を特定の国や地域に限定してきました。特に何故か日本には進出してきません。これはファンにとって痛い所です。
Oxygen OSとHydrogen OS
Oxygen OSはOnePlusスマートフォン専用のAndroidカスタムROMです。OxygenOSは海外市場向けに開発されたもので、中国市場向けにはHydrogen OSが用意されていましたが、2021年にHydrogen OSは廃止されOPPOのColor OSと統合されています。
設立当初OnePlusはCyanogenOSと呼ばれるカスタムROMを使用していました。
しかしCyanogenOSの開発会社であるCyanogen Inc.がインドで他社に独占利用権を与えていたため使用できなくなり、新たに独自のAndroidカスタムROM→Oxygen OSを作成しました。結果的には、このトラブルのおかげでOxygenOSがもたらされたとも言えます。
Oxygen OSは、間違いなく、ファンがブランドに固執する理由の1つです。クリーンでスムーズなOxygen OSは、醜く、遅く、肥大化していた他のAndroid に対するアンチテーゼとも評価されています。
しかしながら2021年、OnePlus9シリーズの発表とともに中国向けのHydrogen OSは廃止され、OPPOのColor OSに統合されてしまいました。グローバル向けには引き続きOxygen OSが提供されていますが、Color OSに統合されないことを祈るばかりです。
カメラ機能強化のため名門ハッセルブラッドと提携
(執筆予定)
Warp Charge
(執筆予定)
OnePlusスマホのラインナップと歴代機種
「T」バリアント
2016年、OnePlusは最初の「T」バリアントであるOnePlus3Tをリリースしました。3Tは、その年の初めに発売されたOnePlus 3のマイナーアップグレードでした。
以後「T」シリーズはマイナーアップグレードを位置づけられましたが、競争が激しいため、時には大きな変更が加えられることがあります。例えば、OnePlus 7から7Tへアップグレードしたときは背面のデザインが大きく変わりました。
Nordシリーズ
OnePlus社は2020年、Nordシリーズを発表しました。これまでハイエンド機種しか発売してこなかったOnePlus社が新たにミドルクラスに進出することとなり、話題になりました。Nordは価格を抑えるためにいくつかの機能を抑えながらも、正統なOnePlusデザインと仕様を備えていることで、ヒットしました。
Nordシリーズはその後、 より安価なNord N10とNord N100がリリースされています。残念ながらNord N10とN100は番号付きのフラッグシップと同じソフトウェアアップグレードは享受できず、1回のみのアップグレードのみになります。
歴代スマホ年表
記念すべき第1号。2014年4月25日発売。Snapdragon 801。UIはCyanogenMod を搭載していた。
2015年7月27日発表。Snapdragon 810、初めてUSB-Cポートを搭載。
OnePlus X
スペック的にはOneと同じだが、ディスプレイがAMOLEDに。
2016年6月14日に発表された3は、同社初の「金属ユニボディ」スマホ。Qualcomm Snapdragon 820、6 GBのRAM、64GBのUFS2.0ストレージを搭載。その低価格さとハイスペックで高く評価された。
OnePlus 3T
2016年11月15日に発表。3のマイナーアップデート。Snapdragon 821搭載。
中国では不吉な数とされる4をスキップし、OnePlus 3の後継として2017年6月20日に発表。SoCはSnapdragon 835。デュアルレンズカメラ、8G RAM、128GBストレージ。当初はミッドナイトブラックとスレートグレーの2色で発売。ソフトゴールドは限定版として8月7日にリリースされた。
OnePlus 5T
2017年11月16日に発表。SoCは5と同じSnapdragon 835。
2018年5月17日発表。フロントカメラがノッチに。SoCはSnapdragon 845。
OnePlus 6T
2018年10月29日発表。画面内指紋認証を搭載。ノッチが水滴タイプに。
2019 年5月14日発表。Snapdragon 855搭載。
OnePlus 7 Pro
Proシリーズが登場。QHDのディスプレイ。カメラは3眼。90 Hz のリフレッシュ レートを備えた FLUID AMOLED ディスプレイを搭載。フロントカメラはポップアップ方式。
OnePlus 7T
2019 年9月26日発表。Snapdragon 855+搭載。カメラユニットをファーウェイを意識したサークル形状にしたが不評だった。
OnePlus 7T Pro
7Proのマイナーチェンジ。
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OnePlus 8T
2020 年 10 月 14 日に発表。カメラユニットが左上2列に。
OnePlus Nord
2020 年 7 月 21 日に発表。OnePlus初のミドルレンジのスマホ。Snapdragon 765G搭載。
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Snapdragon 460搭載。もっともロースペックなOnePlusスマホ。
2021 年 3 月 23 日に発表。ハッセルブラッドのカラーコントロール技術を採用。Snapdragon 888搭載。
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以上、OnePlus社の設立経緯とブランドの特徴についてまとめてみました。
まだまだすべての情報をカバーできていないので、今後補充予定です。他にもこんな情報を追加したら良いなどご意見がありましたら、コメント欄にお寄せ下さい。
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